まみ めも

つむじまがりといわれます

イット

セイちゃんは、いつからかわたしのニノウデをさわさわしながら寝る癖がついて、夜は、フクちゃんに乳をくれている背中にはりついて、ニノウデをじかでそっとつまんで安心するんだかなんだか、それが、秋になって長袖を着るようになったので当初はニノウデを求めて手が戸惑っていたが、そのうち頬にぺたっと手をあてて寝るようになった。ねむたくなったこどもの手はやたらとほかほかするので、ひんやりした頬がじんわりして、こちらが寝かしつけているのか寝かしつけられているのかわからんような心地よさのなかで、うどんのつゆに浸かっているおあげの気分はこんなにちがいないだろうなあなんて考えながらウトウトして油断すると、セイちゃんの指が鼻の穴につっこんでくる。これはボウリングのボールの気分にちがいない。

イット [DVD]

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宿六がたのんでもいないのにホラー映画を借りてきた。シャイニングにつづきスティーヴン・キングの原作。シャイニングがわりと見れたので、たいしたことないんだろとヨユーをぶっこいていたら、しょっぱなのシーケンスでドキーンとさせられるトラウマものの映像がでてきてすっかりちびってしまった。あとはくるぞくるぞという場面では毛布をかぶって画面を遮りながらしかしガン見。おもしろいのは、恐怖とわらいが紙一重なことで、ビビリが一定のところを超えると、とたんにおかしくなって、いずれにせよ、ホラー映画というのはくるぞという期待はほぼ報われるし、ある種のカタルシス作用を伴う娯楽なんだなと実感。ラストの展開も秀逸で、B級風味の加減も絶妙の塩梅、おかげでものすごくスッキリとして見終わった。