連休の前日、宿六に病院行脚してもらい、フクちゃんの発疹を皮膚科でみてもらったら、原因はよくわからないが、ジベルばら色粃糠疹か滴状類乾癬だろうという診断で、いずれにしても自然の経過で消えるのを待つしかないという。ついでで、目やにがひどいのを小児科でみせたら、アデノウイルスが検出され、流行性結膜炎だといわれてしまった。連休はたいして出かけもせずおとなしく過ごしたが、昨日から発熱もあり、嘔吐もし、きょうは保育園を休んだ。
斎藤緑雨「油地獄」田村俊子「春の晩」
尾崎紅葉「恋山賤」
去年のクリスマスだったか、育児の真最中で家から離れられない折に宿六から007の映画チケットを贈られ、久しぶりの身一つで映画館を堪能し、浮ついた街を闊歩、帰りに立ち寄った須原屋でお返しに買ったのがこれだった。ふと見たら本棚にあったので、読ましてもらう。斎藤緑雨の油地獄は、とことんださい男が懊悩しまくる片想いのお話だが、こういう成就しないみっともないたちのものこそ本当の恋愛かもしれない。惚れた腫れたのシンプルなはずのものごとが、ひとりでに膨らみ、行き詰まり、絡まって、気づいたら自分の糸だけがぐちゃぐちゃにこんぐらがっているという、片想いの醍醐味を軽妙に描いていて、たのしませてもらった。