土曜は法事。父方の祖父の13回忌と、血縁はないが父方のいとこの祖母の13回忌、一週間ちがいで亡くなったふたりの法要をすませた。母家で祖父のお経をあげてもらう。浄土真宗の正信偈、帰命無量寿如来ではじまる音階がなつかしく耳に響く。小学生のころ、夏休みはラジオ体操のあとでお寺にあつまり正信偈を唱えていた。信仰の根付いている地域だったんだなといまになって思う。お経をあげるお坊さんも代替わりして小学校のときの上級生になっていた。そういう歳になったのだなとしみじみする。お経のあとはお饅頭とお茶がでて(おっちゃんが丹精したという豆を使って地元の菓子屋につくらせたお饅頭だった。豆の塩気がおいしい)、褐色のアルバムのくっついた頁をひらきながら思い出話をして、温泉とプールのついた町の施設でふたつの親族が合同で会食し、賑やかな時間をすごした。帰宅してから和田山に散歩にでかけ、ひと気のない古墳群のお山の土俵でセイちゃんとフクちゃんが相撲をとって、帰ってきた。風がすこしだけ強く吹いて肌寒いけれど陽射しはあたたかく、よく晴れていい日和だった。じいちゃんもばあちゃんもよろこんだと思う。
- 作者: 酒井順子
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 1991/02
- メディア: 単行本
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