まみ めも

つむじまがりといわれます

蘇える金狼

夜、薄掛けをこどもたちが蹴とばしてはいでしまわなかったので、連休のうちに夏と秋が交代したということらしい。雨続きで冴えない。
初夏にUという店で食べたガトーバスクがおいしくて、この夏はガトーバスクのことばかり考えていた。Uのはザクザクと固めで、甘酸っぱいチェリーのフィリングが挟んである。鎌倉のLの店も赤紫のフィリングだけれど、こちらはほろほろしている。駅の向こうのPのはずっしりと高さがあって、黄色のクリームが生地のまんなかに溶け込んでいる。あまりに思いが募るので、2回ほど自分でもバターや粉を使って焼いてみたけれど、たいした出来にはならなかった。行くあてのない店のガトーバスクをさんざんに調べて、ときめきに似た気持ちを胸にあたためる。

蘇える金狼

蘇える金狼

BSフジ。

大藪春彦の同名小説の映画化で、遊戯シリーズでコンビを組んだ村川透監督、松田優作主演のハードボイルド。朝倉哲也は表向きは平凡なサラリーマンだが、夜は身体を鍛えて巨大資本乗っ取りを企んでいる。朝倉はある日、手に入れた麻薬で上司の愛人、永井京子を手なずけた。しばらくして会社幹部達の横領事件をネタに、桜井という男がゆすりに来ていることを突き止めた。朝倉は桜井と会社を巧みに利用して社長令嬢の絵理子と婚約することに成功するが、その一方で嫉妬に燃える京子は、ある決意をしていた。

松田優作の野性がもろだしで、ストーリーはともかく圧倒的な存在感。松田優作は規格外のいれものという感じで、演技なんかいらないタイプの俳優だと思う。