まみ めも

つむじまがりといわれます

人間晩年図巻 1995-99年

珍しく夜泣きをしたとおもったら熱が出て、金曜は休み。フーちゃんをおぶって自転車でクリニックへ行く。尻 on fireの状況にある仕事のことが気にかかり、しわ寄せのいっているKさんに申し訳なく、こんなときに仕事の心配をしてしまうことがフーちゃんに申し訳なく、なんだかいろいろと立つ瀬のない自分。ストレスがたまるとじっとしていられなくなって、フーちゃんの寝た隙にバターを練ってフルーツケーキを焼いたが、端っこを焦がしてしまったうえに形もいびつになってしまった。挽回したい気持ちでスコーンを焼いた。次の朝、グリルであたためて食べたらおいしかった、でもなにも解決はしていない。解決はしていないけれども週末。

人間晩年図巻 1995-99年

人間晩年図巻 1995-99年

ト本。

1995年に死んだ人々
内村健一(腎不全・68歳)……「天下一家の会」という無限連鎖講を考案した男
金子信雄(細菌性敗血症・71歳)……「美少年」から「セコい親分」への道のり
城 達也(食道がんの肝臓転移・63歳)……「いつの日か,雲の彼方で……」
山田康雄脳出血・62歳)……「ルパン三世」たちの人生
テレサ・テン気管支喘息・42歳)……昼は蠟小平が語り,夜は蠟麗君が歌う
公文 公(肺炎による急性呼吸不全・81歳)……「ごくどう」したいから「公文式」を開発

1996年に死んだ人々
横山やすし(肝硬変・51歳)……好きでもない酒で命を縮めた漫才師
司馬遼太郎(腹部大動脈瘤破裂・72歳)……「歴史青春小説家」から「憂国」の人へ
金丸 信(脳梗塞・81歳)……晩節ほど大事なものはない
難波康子(遭難死・47歳)……エベレスト大量遭難の一日
浅原正基(肺がん・79歳)……最後まで「ソ連」ひとすじだった「シベリア天皇
フランキー堺(肝不全・67歳)……早熟の悲しみ
渥美 清(転移性肺がん・68歳)……渥美清として生き,田所康雄として死ぬ

1997年に死んだ人々
藤沢周平(肝不全・69歳)……「普通」であろうと努力した作家
蠟 小平(パーキンソン病と肺感染症の合併症・92歳)……不倒翁倒了
萬屋錦之介(中咽頭がん・64歳)……多病多婚
津高幸(喘息発作・51歳)……「あさま山荘」で狙撃された機動隊員
勝新太郎(下咽頭がん・65歳)……「映画スター」を演じきった男
ダイアナ・スペンサー(交通事故・36歳)……やっぱりシートベルト
金杉忠男(がん・56歳)……下町の「追憶の天才」
伊丹十三(自殺・64歳)……自在な「容器」の華麗な「退屈」
三船敏郎(多臓器不全・77歳)……几帳面な乱暴者の生涯

1998年に死んだ人々
剣晃敏志(汎血球減少症・30歳)……「大食細胞」に敗れた力士
尾嶋 彰(殺人被害・56歳)……パリの空の下,殺人者も闊歩する
ポル・ポト(死因不明・69歳または72歳)……何が悪かった?
秋野 豊(殺人被害・48歳)……タジキスタンの山中で殺された研究者
森安敏明(心不全・50歳)……「豪快」であろうとした青年の軽率な失敗
村山 聖(膀胱がん・29歳)……青春即晩年
村山 実(直腸がん・61歳)……「永久欠番11」の震災体験
横井英樹(虚血性心不全・85歳)……火葬場で転がり出た銃弾
木下恵介脳梗塞・86歳)……「仕事は楽しいに決まっている」

1999年に死んだ人々
芦田伸介(肝臓がん・81歳)……退職後の『七人の刑事』
スタンリー・キューブリック(心臓発作・70歳)……「才能あるイヤな野郎」
江藤 淳(自殺・66歳)……嵐は人の気持を砕く
寺尾五郎(大腸がん・78歳)……ものごとは見たいように見える

いろんな死があるけれども、こういう本を読むと、どんな人間もひとしく死ぬのだなというあたりまえのことを改めて思う。室生犀星の「夜までは」の詩はずいぶんほのぼのしているけれど、どこかしらおなじものを感じる本なのだった。