まみ めも

つむじまがりといわれます

終点のあの子

川上未映子がだいじょうぶと言ってくれて、自分が親の死に目で知ったことも、だいじょうぶということだったなと改めて気がついた。だいじょうぶと思わせてくれたお父さんはやっぱり大きな存在だった。親が死ぬという予感はとてつもなく不安で切なくてやりきれなかったけれど、ちゃんとさよならをする時間があったことは本当にありがたかった。

棚の上のもろもろをどかしてお雛様を飾っている。少しだけ家の中が春らしくなる。

卜。

ゆらぎやすい女子高生の友情を描く短篇集。プロテスタント系女子高の入学式の日。中学からの内部進学者の希代子は、高校から入学した奥沢朱里に声をかけられた。海外暮らしが長い彼女の父は有名なカメラマンだった。希代子は風変わりな朱里が気になって仕方がないが、一緒にお昼を食べる仲になった矢先、ある変化が訪れる。外部からの進学者の朱里には見えない、女子校ならではの「ルール」。希代子はその枠から飛び出した存在になってしまうのか?華やかに見える少女たちの日常に潜む、複雑な心情と、絡み合う人間関係。少女たちの繊細な心理描写が各紙誌で絶賛されたオール讀物新人賞受賞作「フォーゲットミー、ノットブルー」を含むオムニバス四篇。

やり直しはきくけれど取り返しのつかない淡い日々。みんな何ものかになりたくて、でも自分以外の何ものにもなれない。