まみ めも

つむじまがりといわれます

ぷくぷく、お肉

あとから合流したふくちゃんが29日の夕方から熱を出し頭痛をうったえ、カロナールを飲ませたけれど次の日の朝になってもしんどがるので当番医に連絡をしたら診察まで二時間半はかかるという。受付だけすませて呼び出しまで四時間、診察を終えて薬をもらったら七時間たって真っ暗になっていた。インフルエンザで、薬をもらうころには峠は越えたらしかった。帰って診察待ちの間に煮込まれたおしなべて茶色のおでんを食べた。

卜。

すき焼き、ステーキ、焼肉、ビーフシチュー、串カツ、焼きとり…。開高健村上春樹池波正太郎向田邦子佐藤愛子町田康吉本隆明ら、古今の作家たちが綴る「肉」にまつわる随筆集。全32篇を収録。

ありが豚 角田 光代

スキヤキスキスキ 阿川 佐和子

ラクなりたかったら独身だ、スキヤキだ 開高 健

牛鍋からすき焼へ 古川 緑波

すき焼きの記憶-「自作の中の味」という課題で- 山田 太一

すき焼きが好き 村上 春樹

ビフテキ委員会 赤瀬川 原平

世界一のステーキ 馳 星周

肉それぞれの表情 神吉 拓郎

とんかつとカツレツ 池波 正太郎

味噌カツ 向田 邦子

冬でも夏でも、たんてきに、足が冷たいんである 川上 未映子

ビフテキとカツレツ 阿川 弘之

昔のトリ 佐藤 愛子

焼きトリ 内館 牧子

鴨よ! 菊地 成孔

焼肉 久住 昌之

夕食 肉は「血湧き肉躍らせつつ」 井上 荒野

日本風焼肉ブームに火がついた 邱 永漢

ビーフ・シチュー 檀 一雄

血よ、したたれ! 伊丹 十三

梅田で串カツ 町田 康

牛カツ豚カツ豆腐 内田 百間

豚肉生姜焼きの一途 東海林 さだお

長崎の豚の角煮 吉田 健一

バスティーユの豚 四方田 犬彦

豚ロース鍋のこと 吉本 隆明

豚のフルコース 島田 雅彦

ギャートルズ 園山 俊二

獣の味 平松 洋子

韃靼ステーキ 三宅 艶子

肉がなけりゃ 色川 武大

あたらしい仕事に無職にひきこもり、多額のローン、役員くじ引きで本命をひいてしまうなどいろいろあった一年が終わる。だめじゃない男はだめだと思っていた自分がもしやだめだったのではと思いそうになることも多々あったけれど、万里江のようにひょっとするとだめな男が原動力なのかもしれない(嫌だけれど現実)。石川さゆりダメ男数え唄「だめな男よ背中に乗りな」「どんとこいこい」でやっていくか。お昼は天ぷらそば、夜はすき焼き、肉は二キロ。

私の家では何も起こらない

仕事を早じまいしてげんちゃんのお迎えをし、荷物をかかえてせいちゃんとふみちゃんとげんちゃんと四人でかがやきに乗っていなかに帰ってきた。ビールとチーザとおにぎりとおいなりさんとスナックパンとシュトーレンとスイートポテトとみかんと、しこたま持ってきたつもりなのに、40分後くらいには手持ちぶさたになっていて、ちょっとした怪奇現象だった。一週間前に降った雪は路肩に残るのみで、翌朝はめずらしく晴れて白山がよく見えた。かたくなったとけ残りの雪でもうれしいらしく、ふみちゃんがうさぎの雪だるまをこさえていた。

卜。

小さな丘に佇む古い洋館。この家でひっそりと暮らす女主人の許に、本物の幽霊屋敷を探しているという男が訪れた。男は館に残された、かつての住人たちの痕跡を辿り始め…。驚愕のラストが待つ、恐怖と叙情のクロニクル。

私の家では何も起こらない

私は風の音に耳を澄ます

我々は失敗しつつある

あたしたちは互いの影を踏む

僕の可愛いお気に入り

奴らは夜に這ってくる

素敵なあなた

俺と彼らと彼女たち

私の家へようこそ

附記・われらの時代

生々しさと恐怖が絶妙にうつくしく冷静にブレンドされていて、怖い。

隣のずこずこ

しばらく前に、クリスマスの贈り物にこどもたちに一冊ずつ本を選ぶついでに、こどもの数と同じだけの本をレジに持っていき、ブックサンタをお願いしてきた。知らない誰かに届きますように。

クリスマスはいつものビスケットケーキを用意して、もも肉1.5キロをフライドチキンにした。もうあとは勘弁してくれという気持ち。

卜。

中学3年生のはじめが住む町に突如、伝説の<あいつ>と謎の美女・あかりさんがやって来た。今日から1カ月後に<あいつ>は町のすべてを「なかったこと」にしてしまうのだという。はじめたちは計画阻止にのりだすが…。

タイトルでポップなやつかと思ったら、ポップはポップなのかもしれないがずどんとおも怖だった。「きみがいないことはきみがいることだなぁ」というサニーデイ・サービスの歌をロマンチックなしの小説にしたら、こうなるのかも。ロマンチックほしいです。

とりあえずお湯わかせ

かまぼこの売り場がでかくなり、値段がえげつなく高いのを見ると歳の瀬を実感する。

忘年会にいく家族を送り出し、人の多いところには混じりたくないせいちゃんとふたりではま寿司。10日ぶりに外に出たせいちゃんは、人とすれ違うたびに背後にすっと隠れて気配をひそめていてさながらスパイの風情だったけれど、あさりの酒蒸しの汁を飲み干すころには周りのことは気にならない様子だった。

卜。

はじめての育児、コロナ禍。閉じこもる中で徐々に気が付く、世の中の理不尽や分断。食と料理を通して、2018年から2022年を記録した、小説家・柚木麻子のエッセイ。『きょうの料理ビギナーズ』連載他を単行本化。

ちょっとやり過ぎ感のある柚木麻子の日々にどきどきしてしまったけれど、ご本人もなんでこのころこんなに必死にがんばっていたのかと振り返っていた。必死こいてる当時は筆致はあかるいけれど自己評価が低い。こんなのビギナーむけの雑誌にのってたら泣いちゃう。

本を読んだら散歩に行こう

セイちゃんが急にひきこもってしまい、二週間が過ぎた。一度だけ、お昼に誘い出してぎょうざの満洲にいって、ふたりで炒飯と餃子を食べた。帰りに図書館にいこう、と声をかけたけれど、外にいるのが落ちつかないらしくすぐに帰ってきて、それから一歩も外に出ない。とにかくよく眠る。午前中はほとんど寝て、起きてきたらそばを茹でたり、プリンやクッキーを作ったり、ふとんを干したりして過ごしている。理由はあるのかもしれないし、ないのかもしれない。

卜。

認知症の義母の介護、双子の息子たちの受験、長引くコロナ禍…。人気翻訳家が贈る、悲喜こもごもの現在と過去をめぐるエピソード&読書案内。『よみタイ』連載を改題、加筆修正し書籍化。

村井さんのうしろについていくので、読み終わった本をかたっぱしからまわしてほしい。

ひとり飲み飯肴かな

日曜日。同盟国までサーカスを見にいってきた。穴にピーナッツは詰められなかったね、とふみちゃんが言った。前にサーカスを見たときはふみちゃんがおなかの中にいて、里帰りでお産を待っているときだった。あのときおなかにいたふみちゃんと影も形もなかったげんちゃん、ふたりともはじめてのサーカス。ココアと、お茶と、おにぎりとおいなりさんを持ってって、盛りだくさんのショーを満喫した。久しぶりにぶらんこ乗りを読みたくなる。いのちを預けあう瞬間がたくさんあって、その危うさがきらきらしていた。

ブで110円。

ベストセラー『孤独のグルメ』『花のズボラ飯』『食の軍師』の原作、共作で食漫画に新風を吹き込む久住昌之氏が、ひとり酒とその肴となる飯の機微を、ときにファンキーに、ときにリリカルに綴った愉しいイラスト&エッセイ集。

ひとりなのにこんなに雄弁に語りながら酒飲んじゃって。大好き。

パーマネント神喜劇

一年で一番早い日の入りの日を迎えると、少しだけ気持ちが軽くなる。少しずつ夕暮れが遅くなっていくことがとてもうれしい。今週は家の中がごたごたして、会社に出られず、ずっと家で仕事をした。仕事の山をひとつどうにか越えたけれど、一年が経とうというのに仕事はわからないだらけで、こんなことでよいのだろうかと思い続けている。

卜。

デートの途中、突然時が止まった。動かない街に現れたのは、「神」と名乗るアヤしげな男たちで…。心ぬくもる、神頼みエンタメ。

 はじめの一歩

当たり屋

トシ&シュン

パーマネント神喜劇

人間味あふれる神様たちのお話。