仕事を早じまいしてげんちゃんのお迎えをし、荷物をかかえてせいちゃんとふみちゃんとげんちゃんと四人でかがやきに乗っていなかに帰ってきた。ビールとチーザとおにぎりとおいなりさんとスナックパンとシュトーレンとスイートポテトとみかんと、しこたま持ってきたつもりなのに、40分後くらいには手持ちぶさたになっていて、ちょっとした怪奇現象だった。一週間前に降った雪は路肩に残るのみで、翌朝はめずらしく晴れて白山がよく見えた。かたくなったとけ残りの雪でもうれしいらしく、ふみちゃんがうさぎの雪だるまをこさえていた。
卜。
小さな丘に佇む古い洋館。この家でひっそりと暮らす女主人の許に、本物の幽霊屋敷を探しているという男が訪れた。男は館に残された、かつての住人たちの痕跡を辿り始め…。驚愕のラストが待つ、恐怖と叙情のクロニクル。
私の家では何も起こらない
私は風の音に耳を澄ます
我々は失敗しつつある
あたしたちは互いの影を踏む
僕の可愛いお気に入り
奴らは夜に這ってくる
素敵なあなた
俺と彼らと彼女たち
私の家へようこそ
附記・われらの時代
生々しさと恐怖が絶妙にうつくしく冷静にブレンドされていて、怖い。