まみ めも

つむじまがりといわれます

プラネタリウムのふたご

七夕、ふーたん三歳のお誕生日。朝からいろいろとこしらえ、夜は、フライドポテトとおこのみやき。ふーたんは「おこのみやき」がいえなくて「おともだち」という。なにがたべたいんだっけ、おともだち、本当はなんだっけ、ままおしえて、おこのみやきだよ、おこのみやきっていえないの、じゃあなんていうの、おともだち、というやりとりをした。おこのみやきたべたい、は、おともだちぱえたい、になる。ずっとおこのみやきの言えないふーたんでいてくれてもかまわない。白桃のムースケーキをつくり、ケーキにたてるろうそくを買いにいく。ろうそくがなかなか見つからなくて諦めかけたら、製菓コーナーにみつかった。うさぎとねこ、おたんじょうびおめでとうのチョコレートプレートセットを買って、名前を入れた。洗練さのないおかん度満載のケーキにろうそくをみっつたてて、ハッピーバースデーをうたった。ふーたん、自分でみっつの火を吹き消した。プレゼントはおしゃべりペンちゃんのレジスター。

プラネタリウムのふたご (講談社文庫)

プラネタリウムのふたご (講談社文庫)

本棚から。

注目の作家が描いた運命の不思議、心の救済。ふたごはプラネタリウムで生まれ、一人は手品師、一人は星の語り部となった。彼らが生まれながらに定められていた役割とは何か。坪田譲治賞受賞作家による書下ろし長編小説。

なにか「おはなし」を読みたくなり、久しぶりにいしいしんじを本棚からひっぱりだす。まっくろいとてつもない喪失のなかに、光のつぶを見つけた。