まみ めも

つむじまがりといわれます

ピアリス

日曜についに、治療をやめますかと医者にいわれた。誤嚥性肺炎になり、いまは酸素を吸っている。肺炎が落ちついたら、ラストチャレンジでタルセバをやる。胃瘻もうまくいかず、高濃度の点滴を首から入れる処置をやったらしい。運転もできずこども四人かかえてまったくもって戦力外なので、床を拭いたり、かぼちゃを牛乳で煮てスープにしたり、サンドイッチをこさえたり、すいかやうりを切ったり、母屋に遊びにいったりし、ときどきお見舞いにいくけれどもなす術なし。日曜の夜、山の端から出てきた月が、線香花火の火球のようにオレンジで空に浮いている。沈む月ではなく、のぼる月だったことにほっとする。きょうの昼間は星稜と履正社の決勝を応援し、夜は母屋でお好み焼きと焼きそばとりくろーおじさんのチーズケーキをわいわい食べた。取り壊しを待つふるい家に雨の合間にふとんを運び入れておいたので、板の間にこどもたちと五人で寝そべる。みんな寝たあとで、車庫に放られていた宮本武蔵の文庫本を風呂読み。ちいさいころに散々あそんだ階段に腰かけて、スーパーカップ超バニラをなめる。いろんなものがうつろっていくことに、あらがいたい気持ちだけを持て余す。

ピアリス

ピアリス

 

ト。

過去が見えるピアリス。未来が見えるユーロ。幼い頃生き別れになった双子の数奇な運命の物語。萩尾望都が90年代に執筆した幻のSF小説を、カラー扉と多数のイラストとともに初書籍化。著者インタビューも収録。

ユーロ シモン修道院

ピアリス 「9×7」

ユーロ カルカーシュの予言者

ピアリス 青いリンゴの木

萩尾望都インタビュー-巻末特別企画-

おわりのないSF小説