まみ めも

つむじまがりといわれます

巴里のアメリカ人

巴里のアメリカ人 [DVD]

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向田邦子全対談で、和田誠との映画談義にでてきたタイトルを図書館で予約。監督のヴィンセント・ミネリは「ミスター・アーサー」でツナサンドイッチのプロポーズをされていたライザ・ミネリのお父さん。
王道のラブストーリーにこれでもかと音楽とダンスがてんこ盛り、最後の長尺のダンスシーンはおみごとというしかない。オリンピックのセレモニーのような豪華さ。もったいないような気さえする。ぬり絵したような色彩、セット感あふれるシーン、どれもつくりものめいていて、こういう映画のありかたはいいなあとおもう。セーヌ川のほとりで恋人たちが踊り出す場面は、去年だったか一昨年だったか、クリスマスの午後にテレビでやっていたウディ・アレンの映画を思い出させた。あれも川べりで、ウディ・アレンと踊り出した女の足元が軽やかになってって、ふわっと浮いた。なんて映画だったのか、いまも知らないが、そのうちちゃんと見てみたい。それにしても、映画のなかにミュージカルがはいると、フィクションのうえにさらに非日常を積み重ねるようなトリップ感があって、それが恋の浮き足だつのを捉えてる感じがする。あと、恋って、うまいこといっても、下手こいても、足元はなんかしら浮ついておるんだなと思った。
映画を見終わったあと、「美人ではないが美しい」リズ、レスリー・キャロンを真似て顔の両側で両手をひらひらさせておやすみをやってみた結果、苦笑いをひとつこさえることができた。