まみ めも

つむじまがりといわれます

ホワイトハンター ブラックハート

週末は久しぶりに家族がそろった。土曜の夜は花火大会や接待でみんなでかけてしまった。あついほうじ茶をいれ、芝寿しの朔日弁当をひとりで食べた。金時草の紫に染まった太巻きがうれしい。ソファのクッションを背枕にして本をぺらぺらめくっていると、和田山の彼方から花火の音が響いてくる。夜がすこしずつ深くなると家のなかの空白が多くなるみたい。この感じは悪くない。

ホワイトハンター ブラックハート [DVD]

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クリント・イーストウッド監督主演作品。主人公はクリント・イーストウッドお得意のひと筋縄ではいかない男で、金を払って罪を買うつもりが、買うつもりのなかった罪を背負い込む羽目になってしまう。こてんぱんに殴られてノックアウトされても「正義のためには闘え でなきゃ腹の中が腐る たとえ倒されても闘った後は気にならない」と自信満々で正義の側にいる自分を疑わなかった男が、たたかうことを放棄したときに急転直下で人生から一撃を浴びせられまっしろになってしまう。クリント・イーストウッドの描く題材は、いつでもちょっと手にあまる感じがあって、見終わったあとは淵をのぞきこんだ気分。
まっしろになったクリント・イーストウッド演じるジョン・ウィルソンには、ケストナー飛ぶ教室」の前書きからこのことばを贈りたい。

ただ一つ、自分をごまかしてはいけません。また、ごまかされてもいけません。不幸にあったら、それをまともに見つめることを学んでください。うまくいかないことがあっても、あわてないことです。不幸にあっても、くじけないことです。へこたれてはいけません。不死身にならなくては。