セイちゃんが半ずるでお休みした日に、ふたりで録画してあった「グレーテルのかまど」を見た。長くつ下のピッピのジンジャークッキー。クッキー500枚ぶんの生地をせっせと広げる姿にふたりで釘付け。その日の夕方に駅の向こうまでクリスマスのクッキー型を買いにいった。トナカイにそり、雪の結晶。つぎのお休みに型抜きでジンジャークッキーを焼いた。オーブンからしょうがとシナモンのにおいが広がる。夜、寝るまえに一枚ずつ、好きな形のものを選んでつまむ。クリスマスまでのちいさなおたのしみ。
- 作者: 佐野洋子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2015/07/07
- メディア: 文庫
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喫茶店から飛び出した<椅子>と海が見たかったゴリラのうつくしくも悲しい恋を描いた中篇に、気取り屋の狐や傷ついている鰐など、動物たちを描いた皮肉でユーモラスな超短篇30篇を併せて一冊にした大人のための物語集。
椅子とゴリラの恋、白いハンカチの行く末。
後半の超短編に出てくるネガティブきわまる山羊のセリフ「タンポポなんかしおれちゃって、サラダをおひたしにしなくちゃいけないんだわ」はかわいらしい後ろむきさ加減がいとしくて、山羊座の女のとしては使ってみたい。しくしく泣いてばかりいたらサラダのつもりがおひたしになっちゃったよ。涙でしょっぱくてちょうどいいね。なんてね。