日付を記すときについつい2016と書いてしまって身も心も2016年をずるずると引きずっていたのがやっと抜けたとおもったら2月になってしまった。ついでにいうと、お正月太りのつもりでいたプラス2キロはベースアップだったらしい。節分の金曜は、レンジでチンした照り焼きのもも肉と卵焼き、ほうれん草のおひたしで太巻きをした。5本のうち2本は紅しょうがをいれた。具が寄ってしまい、さらににぶい包丁で切ったのでいびつな形になった。セイちゃんがほくほくせいはどっち、というので教えてやると、北北西を向いて神妙な顔つきで黙々と太巻きを食べていた。4つ食べたので4つ分のお願いをしたらしい。節分に縁のない人生だったので、願いごとをするものなのかどうかよくわからない。わからないけれど、願うだけならただであるし、それで願いがかなうならまさしく願ったり叶ったりというやつなので、口出ししないでおいた。
- 作者: 川上弘美
- 出版社/メーカー: スイッチパブリッシング
- 発売日: 2016/06/29
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (6件) を見る
ひみつ、にわとり地獄、おばあちゃん、事務室…。町ができていく。8年の歳月をかけ、丹精込めて創り上げた、<このあたり>をめぐる26の物語。『monkey business』等掲載に書き下ろしを加えて単行本化。
ひみつ p7-10
にわとり地獄 p12-14
おばあちゃん p16-19
事務室 p21-24
のうみそ p26-29
演歌歌手 p31-34
校長先生 p36-39
スナック愛 p41-44
不良 p46-49
長屋 p51-54
八郎番 p56-59
呪文 p61-64
影じじい p66-69
六人団地 p71-74
ライバル p76-79
妖精 p81-84
埋め部 p86-89
バナナ p91-94
蠅の王 p96-99
野球ゲーム p101-104
拷問 p106-109
バス釣り p111-114
グルッポー p116-119
運動会 p121-125
果実 p127-131
白い鳩 p133-140
行きつ戻りつしながら描かれる街の断片が、ところどころファンタジーでありリアルであり、もう過ぎてしまったお話のような切なさがにおう。どこの街にも、こんな風にすこし現実離れした人や出来事の入りこむ隙間があってほしい。