まみ めも

つむじまがりといわれます

読書という荒野

推しの三角公園の桜がほころんできた。 ちいさな敷地いっぱいに枝がひろがっている。木瓜の花も一気に咲いた。桜も木瓜もいいけれど、咲くぞ咲くぞと迫りくる春に少し気おくれしてしまい、気づいたら咲いている系のクリスマスローズやブルーベリーの花のさりげなさに慰められる。

読書という荒野 (NewsPicks Book)

読書という荒野 (NewsPicks Book)

 

 ト。

血で血を洗う読書という荒野を突き進め! 幻冬舎代表取締役社長が自らの人生と、そのなかで読んできた膨大な数の本について語り、一人の人間がいかに自分の言葉を獲得し、言葉によって道を切り開いてきたかを明らかにする。

【目次】
はじめに 読書とは「何が書かれているか」ではなく「自分がどう感じるか」だ

第1章 血肉化した言葉を獲得せよ
「自己検証・自己嫌悪・自己否定」は三種の神器 ここではない「ほかの場所」を求めた本 自分を恥じ、深く見つめることを余儀なくされる読書体験 世界の矛盾や不正や差別に怒れ 苦しいほうに身をよじり、自己検証能力を磨け ほか

第2章 現実を戦う「武器」を手に入れろ
吉本隆明・あまりに切ない精神の劇 自己嫌悪と自己否定が仕事への原動力となる ヘミングウェイ・「勝者には何もやるな」 編集者の武器は「言葉」だけだ 努力は圧倒的になって初めて意味がある 実践しなければ読書じゃない ほか

第3章 極端になれ! ミドルは何も生み出さない
五木寛之・「差別構造」を創造力の産物として描き出す作家 石原慎太郎・個体の快楽と掟 大江健三郎・妄想と現実の交換 ほか

第4章 編集者という病い
村上龍・虚無と官能 林真理子・過剰と欠落 村上春樹・生き方を犯すほどの才能 百田直樹・驚異的なオールラウンドプレーヤー 東野圭吾・見事なまでに人間を描く完璧なミステリー 宮部みゆき・『火車』の哀切なラスト 北方謙三・読者を慟哭させ、魂を揺さぶる 坂本龍一・残酷と悲惨に血塗られた崇高で静謐な創造 尾崎豊・自己救済としての表現 ほか

第5章 旅に出て外部に晒され、恋に堕ちて他者を知る
深夜特急』・人生からの脱獄 今でも強く脳裏にこびりつく五木寛之との旅 村上龍との放蕩 他者への想像力は恋愛で養え 困難は読書でしか突破できない ほか

第6章 血で血を洗う読書という荒野を突き進め
死の瞬間にしか人生の答えは出ない 絶望し切って死ぬために今を熱狂して生きろ 三島由紀夫・自らの観念に殉じて死ぬ生き方 現実の踏み絵を踏み抜かない理想に意味はない 「夢」や「希望」など豚に食われろ ほか

おわりに 絶望から苛酷へ。認識者から実践者へ

表紙の見城徹の目つきがちょっと怖すぎるのだけど、読みはじめてみたら紋切り型にフォントや色使いにまで迫力がみなぎっており、なんかもうすんませんとひれ伏したいようだった。でも一人称は僕なんだね。