まみ めも

つむじまがりといわれます

オリガ・モリソヴナの反語法

遊歩道のわきには、おとなりのお爺さんが面倒をみていた、畑とも呼べないようなちいさな地面があって、工夫をこらして、季節ごとに花が咲いたり野菜が実ったり、それが歳時記のように季節を教えてくれる。お爺さんが怪我で入院してずいぶんたち、おそらくお爺さんがマジックで書いた「福寿草」の札のあたりをいつも何気なく眺めていたのだけれど、日曜のあたたかなひだまりの中で、こまかな雑草にまぎれて黄色い花がひとつ咲いていた。また春がくるのだなと思う。

オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)

オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)

 

金木書店の百円の均一棚にあった。米原万里の小説ははじめて。鈍器にできそうな厚さと重さに怯んだけれど、読み始めたらおもしろくって、ページを繰る手が止まらなくなる。魔法のようなストーリーテリング