まみ めも

つむじまがりといわれます

しくじり家族

月曜の朝にげんちゃんが熱を出し、高熱が続いてずーっと休み。火曜と木曜は昼前まで会社にいって、金曜やっと一日仕事ができたと思ったら終業十分前に電話が鳴って、熱のしらせであわてて帰る。RSウイルスの疑い。休みの日、気晴らしにお外にでると、のりものを指差してぴーぽーみたの、ばすのるの、とずっとお話している。こわがりで、雀がちゅんとしたり猫がにゃあとするとワーンと泣き出す。バカ姉弟のおねいをゆびさして、げんちゃん、と自分で言っている。おぶっている背中から、おもーい、まま、ばんばーれー、だいつき、わお!と励ましてくださる。いつか思い出す重さになると思いながら歩く。

老犬を抱えて帰るいつか思い出す重さになると思いながら /岡野大嗣

しくじり家族

しくじり家族

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ト。

葬儀はカオス。耳が聴こえない、父と母。宗教にハマる、祖母。暴力的な、祖父。ややこしい家族との関係が愛しくなる。不器用な一家の再構築エッセイ。“ぼくの家族は誰も手話が使えなかった。聴こえない父と母の言語である手話を、誰も覚えようとしなかった。祖母も祖父も、ふたりの伯母も。唯一、家族のなかでぼくだけが下手くそなりにも手話を自然に習得し、両親と「会話」していた。

「兄の終い」もなかなかだったけれど「しくじり家族」もなかなかのもんだった。ややこしさがこんがらがってほどけなくなってくるといっぱしのしくじり家族の出来上がり。