まみ めも

つむじまがりといわれます

父のビスコ

月曜日の昼前に呼び出しの電話がかかり、どたばたと荷物をまとめて電車を乗り換え昼寝しているげんちゃんをお迎えして帰宅。高熱でくったりしていて、帰ってからふとんに寝かせるとそのうち眠った。となりでふとんに下半身をうずめてひっそりと仕事をする。ちょうどミーティングの終わる時間に無線放送のふるさとが流れてその音で目を覚ました。その日の小児科ではいったん熱さましを処方されて帰され、次の朝も熱がさがらずに再診して検査してインフルエンザだった。熱でも意地でサトコちゃんに乗る。熱はふつかで落ち着いて、咳が残り、ドナルドダックみたいな声をしているけれど、すっかり元気でほっとする。家族はいまのところ無事。夜、ふとんの横に寝ているげんちゃんが耳もとで咳をするので、夢の中でびっくりして目を覚ましたことにびっくりした。

ト。

父の死に接してから、かつて過ごした倉敷の時間や場所がいっそう親しく身辺にまとわりつくようになった-。平松洋子の自伝的エッセイ集。『本の窓』連載を単行本化。「旅館くらしき」創業者・畠山繁子による随筆も収録。

父とビスコの組み合わせに宿る違和感こそ現実のものだなという感じがする。お父さんとさいごにビールを飲んだ夜のことを思い出す。さいごだなんて思わなかった。