まみ めも

つむじまがりといわれます

シチリア!シチリア!

シチリア!シチリア!スペシャル・エディション [DVD]
妹が借りてきた映画は四つあり、このシチリア!シチリア!が150分あまりと一番長かった。監督はニュー・シネマ・パラダイスジュゼッペ・トルナトーレニュー・シネマ・パラダイスは見たはずなんだけれど、キスシーンをつぎはぎしたフィルムのところしかエピソードを覚えていない。改めてじぶんの忘却ぶりにびっくりする。でも、この忘れっぽさがなかったらここまでタフにやってこれなかっただろうなとも思う。それで、シチリア!シチリア!だが、150分で描ききるのに無理のある内容というか、すっかりエピソードが散逸していて、映画全体がダイジェストめいてちっとも気持ちがはいっていけないまま終わった。音楽が、ここは感動するところですよと教えてくれるのが、押し付けがましく感じてしまっていよいよいけない。
もう一本、「ショパン 愛と哀しみの旋律」というのもあったが、これもショパンジョルジュ・サンド、空気の読めないふたりの噛み合わない恋愛劇に終始する気配にうんざりして途中で見るのをよした。なんたって、失恋したてのショパンが肺炎を起こしかけたところにジョルジュ・サンドが押しかけ女房よろしくスープかなんかを作ってやったらショパンがころっと参ってしまうもんだから、そのくだりだけでいらっときた。甲斐甲斐しくやってるときのジョルジュ・サンドのいきいきぶりったらなかった。それで、隣にいた筈氏に、おたくも風邪をひいたときに粥かなんぞか振舞われたらころっといくんかいとにじり寄りかけたところで、あ、でも、キミはそういう場面でカレーライスを拵えるような的はずれをやる女のほうが好きなんでないか、と尋ねたら、そうかもとこたえたのでほっとした。逸脱を愛してくれる男でなくちゃおもしろくないわいな。そういえば、胃腸炎で家族三人ぐったりしたときに、冷や飯に海苔ねぎ卵をいれた雑炊をつくったとき、なんかぼんやりした顔をしとったのを思い出す。あれは、居心地がわるかったにちがいない。