まみ めも

つむじまがりといわれます

デスペラード

一挙に夏になり、フクちゃんの頭皮からイーストのにおいがしている。なかなかどうしてくさいのに、うれしくて、耳の裏あたりをクンクンしてしまう。パンが焼けるときにオーブンから漂うにおい。フクちゃんは寝かしつけに手がかからず、布団につれていって、「ぎゅ」「ぴた」「ちゅ」と言いながらだきしめ、頬ずり、キスをすると、くふくふ笑いながら、すぐにねむたげになって、ものの五分で簡単に寝てしまう。さっきシャワーしたばかりなのに耳の裏からはもう香ばしさが放散している。このにおいを瓶につめて保存しておきたい。それとも、おじさんになってもイーストのにおいをさせるのだろうか。おじさんになったフクちゃんから漂うイーストのにおいをわたしはどんな思いで嗅ぐのだろう。

宿六のライブラリから、なんとなく気楽なものをリクエスト。淡麗グリーンラベルに塩バターのポップコーンをむしむし食べながら鑑賞。劇画タッチの漫画に似た、どこまでが本気なのかはかりかねる、B級映画とも言い難い絶妙なバランスで振り切れた映画。とりあえず、その夜はバズーカ砲を打つポーズが局地的に流行したが、やってみたらバランスを取るのがなかなかどうしてむずかしいのだった。