九月末の病院で薬の用量不足を指摘され、そのときになにか自覚症状はあるかと問われて、なにも思いつかなかったが、薬を1.5倍飲むようになって半月あまり、埋もれていた症状に今更ながら気づいている。思えばここしばらく空腹感というものがなく、食べる量も以前の半分くらい、食い意地というか惰性で食べているようなところがあったが、食べる量は少ないのにいっこうに体重は減らない。中年ってのはこういうことかと、味気なく思っていたが、チラーヂン75μgをsidするようになって、からだが空腹感を思い出した。お通じも心なしかよろしい。体重と下腹部は相変わらずだけれども、それはやっぱりチラーヂン75μgを差し引いた剰余としてあるべき中年経産婦の姿なので致し方ない。セイちゃんをうんだ直後の甲状腺がジャンジャンばりばり大放出だったころは、鼓動がやたらとどきどきしてだらだら汗をかき、食べても食べても満腹というものがなく、夜中に菓子パンのひとつやふたつは当たり前、たいして体重は減らないが、肉の感じがうしなわれて、当時の写真をみるとたしかに近年みない細さをしていた。ホルモンというのはおそろしい。わたし自身を規定するはずの肉体と精神の、99%ぐらいはホルモンで説明できるのではないか疑惑。
- 作者: 種村季弘
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2012/12/01
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本も本箱もない十畳にゴロンと横になって、ああ、のびのびとビールが飲みてえなあ。
種村季弘もそう言っていることだし、図書館にお世話になるとしよう。そして、のびのびとビールを飲もう。