まみ めも

つむじまがりといわれます

日記をつける

職場のおみやげで大手饅頭があった。百間先生が夢に見た大好物のあれだ、と内心で思いながらありがたく頂戴する。きんつばに似たほとんどあんこの塊で、きんつばと違ってドーム型でこしあんがやわらかく、ちょっと心もとないぐらいのやこいお菓子だった。食いしん坊の小島政二郎に、砂糖の甘さは味覚の堕落と叱られそうな甘さだけれども、味覚に関しては愚鈍でなんでもおいしく食べられるほうが生きやすい。連休初日の夕飯は、冷凍食品のメンチカツをキャベツと一緒に卵とじにしたズボラ飯だったけれど、汁をだくだくにして、煮込んで歯ごたえもほとんどないメンチカツを崩してスプーンで食べて、おいしかったな。育児にモットーがあるとしたら、グルメには育てないということかもしれん。そういえば、いつのまにか鼻詰まりが軽快し風味がもどってきた。

日記をつける (岩波現代文庫)

日記をつける (岩波現代文庫)

図書館本。日記だとか、手紙だとか、小説にしてもそういうのを題材にしたあけすけなものが好きで、自分でも日記だかなんだかわからないことをこうやって書き連ねているが、読んだこと見たものの備忘であり、また、記憶から簡単にはぐれていきそうな野の草のような平凡な暮らしをとどめておきたいというのもある。自分で書いていて、本当のような気もするし、偽物のような気もするが、嘘はないように、あと、ドラマチックは書きたくない。自分に流されないように棹さすというか、句読点みたいな感じで、なんだかんだと続いている。荒川洋治は、もうずっと日記をつけているらしい。雨の日の喫茶店、奇跡のような平凡な会話を、丁寧にしるしていくところが、荒川洋治らしくて、すごくいい。こういうなんでもない日記に触れると、心をなでられるみたい。荒川洋治が紹介する日記たちもなんだか面白そうで、読みたい本のリストがまた増えてしまった。