職場のおみやげで大手饅頭があった。百間先生が夢に見た大好物のあれだ、と内心で思いながらありがたく頂戴する。きんつばに似たほとんどあんこの塊で、きんつばと違ってドーム型でこしあんがやわらかく、ちょっと心もとないぐらいのやこいお菓子だった。食いしん坊の小島政二郎に、砂糖の甘さは味覚の堕落と叱られそうな甘さだけれども、味覚に関しては愚鈍でなんでもおいしく食べられるほうが生きやすい。連休初日の夕飯は、冷凍食品のメンチカツをキャベツと一緒に卵とじにしたズボラ飯だったけれど、汁をだくだくにして、煮込んで歯ごたえもほとんどないメンチカツを崩してスプーンで食べて、おいしかったな。育児にモットーがあるとしたら、グルメには育てないということかもしれん。そういえば、いつのまにか鼻詰まりが軽快し風味がもどってきた。
- 作者: 荒川洋治
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2010/11/17
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