金曜は飲み会で、土曜が出勤日だったので、金曜の朝に保育園へ連れてってから、土曜の帰宅まで、覚めているこどもたちに会わなかった。酔っぱらって帰って、風呂でじっくり文庫本を読み、ふとんにもぐりこむときに見るこどもたちの寝顔のいとしさったらない。世の忙しいサラリーマン稼業のおっさんたちは、こんなにいとしいものを見てんのかとつくづく思う。朝は、誰も起きてこないので、朝ご飯のフルーツとヨーグルト、パンにジュースを用意して、いつもよりのんびりと駅まで歩く。若干の二日酔いの頭に三分咲きの桜がぼんやりと投影する。一日の仕事を済ませて家路、桜は昼間の陽気で八分まで開いて、こどもたちの声をききたいさみしさが深沢七郎のいうパッションフルーツの味でせり上がってくる。
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2005/09/30
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