まみ めも

つむじまがりといわれます

現代日本のユーモア文学〈6〉

ベーグルを40個も買いこんだので、毎日朝ごはんにマーガリンとジャムをつけて食べ、お昼はサンドイッチにしてもっていく。サンドイッチの具は、チーズ、レタス、人参のラペ、鶏肉のハム。食べ終わったらくるんであったラップをまるめておしまい。それからインスタントのカフェインレスコーヒーをすすりながら本を読む。今週は毎日おなじお昼をたべて、毎日おなじ本を読んだ。わたしはどこへも行かないけれど、本のなかでは主人公がアメリカ大陸を東から西へ横断した。アップルパイとアイスクリームばっかり食べている。ハリウッドの駐車場のトイレの裏でひとかたまりのパンとサラミでサンドイッチ(青山南訳ではサンドウィッチ)を10個つくる場面もあった。わたしがサンドイッチひとつ食べるうちに主人公はサンドウィッチを10個たいらげた。

1 くちやね島 里見 とん(とんの字がなぜか文字化けする)
2 鎌倉の人 尾崎 一雄
3 犂氏の友情 久生 十蘭
4 パリの床屋教授どの 北 杜夫
5 御先祖様万歳 小松 左京
6 歳末閑居 井伏 鱒二
7 緑陰 井伏 鱒二
8 夜の横町 井伏 鱒二
9 泉岳寺附近 牧野 信一
10 蛾 安岡 章太郎
11 もぐらの手袋 安岡 章太郎
12 今日の芝居 木下 杢太郎
13 八百屋 木下 杢太郎
14 本町通り 木下 杢太郎
15 物いひ 木下 杢太郎
16 動物の葬礼 富岡 多恵子
17 アメリカひじき 野坂 昭如
18 梅竜の話 小山内 薫
19 出家遁世の志 伊藤 整
20 悟浄出世 中島 敦
21 窓ひらく 佐藤 春夫
久生十蘭で検索して図書館で予約。カラスキー氏の友情、と読むらしい。パリの床屋教授どの、はどくとるマンボウ航海記から抜粋。あとはすべて初読。一番おもしろかったのは付録の開高健吉行淳之介丸谷才一の対談で、ユーモアの語源が体液(潤滑液)だということ、ユーモアの代表として井伏鱒二の「風呂焚く男」が挙げられていたので、近いうちに読みたい。内容とは関係ないけれど、「で」の字が左に90度回転した誤植があって、活版印刷ならではの感じがしてうれしかった。