まみ めも

つむじまがりといわれます

オシャベリな目玉焼

雌花がついたかぼちゃの苗だったが、ふと見ると雌花が落ちて腐れてしまっている。虫が花のまわりをのそのそしているから、かってに受粉するのかなと思っていたが、そう簡単なものでもないらしい。早起きした朝に庭にでて、雄花を観察するが、雌花はなかなかひらいているときがなく、タイミングがわからない。あけっぴろげの雌花よりもふさぎがちの雌花のほうが身持ちの良いお嬢さんという感じで、あいてもいないところに無理やり受粉するのは気がひける、と思っていたら、いつのまにかひとつ、まるいかぼちゃがなっていた。ひろがった葉が白く粉をふいてきて、調べてみるとうどんこ病というものになっているらしいので、葉を切った。かなり広がっていたので、このあとは実がなるのかどうか、わからない。うどんこ病というのは、要はかびらしい。かぼちゃひとつ育てるにも知らんことがたくさんあるのはおもしろい。

オシャベリな目玉焼 (新潮文庫)

オシャベリな目玉焼 (新潮文庫)

増税後のブックオフで、名残のように105円の値札がついていて、一冊だけ105円で買えたのが柴門ふみだった。柴門ふみの漫画もドラマもよく知らないがおもしろかった。ものすごくいい加減なお母さんをやっていて、お水ちょうだいとせがむ六歳の娘さんに、「嫌だ。面倒臭い」とコタツで寝転がったまま答えたりしていて、なんだかほっとする。「そんなこといわないで、ちゃんとお世話してください」と答える娘さんは、しっかり者だなあ。あと、「あなたとつきあって、女性も顔じゃないということに初めて気づきました」といわれ憤慨している柴門ふみにものすごくシンパシーを感じる。わたしも、ピュアなところがどうの、かわいいだけの女はいくらもいるだのと、言われたほうの人間だが、好意丸出しで自分の心性を評価されることぐらい屈辱的なことはない。実際ひどくひねた性格をしているし、どぶの中の汚泥みたいにどろどろしている。カワイイといわれれば、美的センスの狂ったひとなのだなと思うだけで葛藤がいらない分らくだ。もののけ姫も、そなたは美しいといわれてコロっと参っていたし、女というのはそういうもんだと思う。
ちなみに、この本で一番感銘を受けたのは、ユーミンが、創作活動のエネルギー源をきかれて、「オリジナリティーのない人でも、この世界でやってゆけるということに対する憎しみ」と答えていたところ。ここを読んだだけでも105円以上の価値があったとおもう。