まみ めも

つむじまがりといわれます

のら猫トラトラ

金曜は一日休みをとって、ぶらぶらと過ごす。いつもの通りドーナツショップでコーヒーをお代わりしながら本を読み、ブックオフにいって本の物色。
私のとっておきメニュー/平野レミ
赤頭巾ちゃん気をつけて/庄司薫
不作法紳士/吉行淳之介
日々すれすれ/吉行淳之介
旅するノラ猫/嵐山光三郎
グーグーだって猫である2/大島弓子
若くて、悪くて、凄いこいつら第一部/柴田錬三郎
向田邦子の遺言/向田和子
皆川明の旅のかけら/皆川明
リンボウ先生の新味珍菜帖/林望
カワイイ大相撲/どす恋花子
ふだんは100円の本しか買わないが、レミ本は150円。なぜか平野レミ料理本を見つけると買ってしまう。和田唱がイラストを描いている。細かいようだけれど、柴田錬三郎だけ105円で、あとは全部108円。
いったん帰宅し、うどんこ病の葉っぱをおとし、近所の美容室で髪を切り、またうちに戻って、お風呂をわかして湯船で本を読んだ。休みの日になにをしたいだろうと考えて、一番やりたかったことは、家でじっくりお風呂に浸かることだった。しょうもないことのようだが、とても満たされた。それからこどもたちを迎えに出たらざんざん降りの夕立にあい、保育園のそばまでタクシーを呼び、家の前で待たせて保育園の荷物をおき、ずぶ濡れのこどもたちを着替えさせ、駅まで。各駅停車で新宿にでた。平日の宵の都内にひとりでふたりの子を連れてでるのははじめてで、往来するひとの多さになんだか緊張し、こどもたちの手を両手にぎゅっと握ってしまう。いわれた道をまっすぐに歩いていき、なんとなく見覚えのあるあたりでスマホの地図をみながら思案していたら、ビルの一室から声がふってきて、宿六が手招きしていた。そのあとは代官山で食事。こどもたちにはかぼちゃのポタージュ、トマトソースのスパゲティ、ハンバーグ、デザートの皿まで出た。ふたりともよく食べた。大人には、カリフラワーのポタージュとカルパッチョ、からすみのスパゲティに白身魚と枝豆のリゾット、イベリコ豚、パイナップルのジェラート。赤白のワインにビールをコップに何杯かおかわりした。こどもたちが飽きて眠たそうになったので、渋谷までタクシーで出て、グリーン車のチケットを買って、浦和まで、そこからまたタクシーに乗って帰宅。こどもたちはぬるいシャワーで汗を流すだけにしてすぐに寝かせた。11時。つめたい麦茶がおいしかった。

くちぶえサンドイッチ、猫の文学散歩、みやげの小石とたて続けで「のら猫トラトラ」について書いてあったので、図書館で予約。鴨居羊子という人を知らなかったが、写真ではやわらかそうな太い眉に、外国帰りのようなグラマーな丸みを帯びたかわいい女の人で、ちょっとアーティスチックな雰囲気をまとっている。のら猫トラトラは、市場の裏の野良猫や店先の猫など市井の猫とのふれあいを振り返りながら綴った本で、それぞれの猫のポートレートもはさんである。ポートレートに添えられている鴨居羊子のコメントもいい。

「おれは不幸という名の猫さ」だから他人の家に泥棒に入って、そこのうちの人が一ばん大切にしてるものを盗って、そこの人が不幸になるのが、ボクの最高の生きがいだ。それにしても世の中オモロクないや!

なんてね。
鴨居羊子と猫との距離感が、年月を経たあとで振り返っていることで時空の距離感を伴い、とても手の届かないような切なさをはらんでいる。無性に猫を撫でたくなった。