まみ めも

つむじまがりといわれます

池波正太郎の食卓

月曜の夕方、東の空をみていたら、オレンジのスーパームーンが岬の向こうからのぼってきた。満月を一日過ぎたはずだったが、まんまるなのか欠けているのか、わかるようなわからないような丸さが心に引っかかり、いつまでも眺めていたいような気がする。おなじ月だけれども、割増になっているとおもうと貧乏性には有難い。みんなが寝たあとで、お湯に浸かりにいったら、月は中空まであがり、その手前をくろぐろした雲がビュンビュン流れていく。奥にときおりのぞく月のまわりにはじっと動かない空の気配があって、その月をとりまく光の感じが、ゴッホの絵のタッチだった。

池波正太郎の食卓 (新潮文庫)

池波正太郎の食卓 (新潮文庫)

いつかのブックオフで105円。池波正太郎は食べ物の話ばっかり読んでいる。「池波正太郎の食卓」は池波正太郎の書生をやっていた人が文章を書き、ゆかりの料理人ふたりが料理を再現した企画もので、レシピもついている。池波正太郎のエピソードで、夜中にひとり袋ラーメンを食べるのに、シュウマイをひとつ浮かべて食べた話と、シロップをかけたホットケーキにベーコンを合わせて食べていた話が印象に残った。