まみ めも

つむじまがりといわれます

ぼくのいつか見た部屋

7月1日水曜、前夜から雨が続く。天気予報は一日中雨。ひる前、用事を済ませにでかけるお母さんに乗せてもらい図書館へ。10時の開館と同時にはいり、2冊返して2冊借りる。
名短篇―新潮創刊一〇〇周年記念 通巻一二〇〇号記念
旅先でビール 川本三郎
買い物をすませ、お昼は塩ラーメン半人前とコロッケとトマトと煮豆。食後、山田屋の氷室饅頭ひとつ。午後3時ごろに気持ち悪くなりすこし戻す。今回の妊娠はさいごの最後までよく吐いた。夜ハヤシライス。おなかが張る感じが強くなってきたので早めに寝る。
ねかしつけのときに、セイちゃんとフクちゃんがおなかに手を当ててくれる。あかちゃんはどこからおなかにきたの?ときくので、おぼえてる?ときくと(禁断の質問返し)、とうめいになっておなかにはいってくるんじゃない、と話す。セイちゃんが「お母ちゃんが世界でいちばんきれいな女のひとだったから、セイゾーくんはとうめいになってお母ちゃんのところにきたよ」というと、フクちゃんは「フクちゃんは、お父ちゃんがかっこよかったから」という。世界でいちばんきれい、なんていわれたことがないので、半笑いに引きつりながらこどもたちを抱えてやる。胎内記憶もスピリチュアルの才能もなさそうだけれど、わたしのあかちゃんだったこどもたち。

ぼくのいつか見た部屋

ぼくのいつか見た部屋

図書館の書架で、安西水丸のところに1冊だけ飛び出している本があって、A4サイズで横向きにいれてあるのを、取り出して、ぺらぺらとめくってみたら、絵日記のようにいろんな部屋をイラストつきで紹介してあるのが愉快げなので借りる。1998年。

ささやかだけど、かけがえのないそれぞれの部屋、街の暮らし。東京、ニューヨーク、京都…アーティスト、学生、OL…64の部屋と出会いと、小さな物語。部屋をめぐる傑作エッセイ。カラーイラスト付き。

安西水丸のイラストの頼りなさと文章のとりとめなさが記憶の不確かなぼんやりしたところを心地よく包むようで、ひとの記憶なのにやさしく懐かしい。実際にあった部屋だけれど、ふとした知り合いの部屋という距離感もいい。安西水丸は部屋というものが好きで、映画でも部屋がうつるシーンにときめくらしい。わたしが本棚にときめくのと似たような感覚かもしれない。