おなかはいよいよ突き出し、うぶ毛が逆巻き、へそのまわりに色素沈着して、どこかで見たことあるような様相だとおもったら、ゴッホの描く太陽に似ている。すわ前駆陣痛かと思うようなおなかの張りは朝がきたらどこかへ引っ込んでしまった。
- 作者: 庄野潤三
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1998/10
- メディア: 単行本
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あなたは独自のいいものを持っているのだから、自信を持って、それを大切に育てて下さいよ。ジャーナリズムをあまり気にして、その大事なものを失わないようにしないといけませんよ。
このことばを守って庄野潤三は最後までジャーナリズムの風の吹かないところで独自のいいものを大切にしたと思う。「山の家」がそうだったように、たくさん風よけになってくれた家族や友人がいたことがうれしい。
ソファにねそべりながらうつらうつらして、何度もおなじ行を読んでちっとも頭にはいってこないとき、とても贅沢な時間。