まみ めも

つむじまがりといわれます

狩人の夜

きのうの朝、京浜東北線で大宮にでて、9:18大宮発10:48鎌倉着の湘南新宿ラインで鎌倉についた。グリーン車に乗りこんだときにはほぼ満席だったけれど、途中からは全員で席に座れたのでよかった。通路を挟んだ隣にかけたご婦人が話しかけてきてくださったので、楽しい車中だった。四人姉妹を育てた方で、下から17歳、21歳、23歳、25歳の娘さんたちの写真をみせていただく。これから鎌倉に暮らすロシア人のお友だちの家に和食を作って持っていくところで、ひじきの煮物、いか大根、かぼちゃサラダ太巻きの材料に巻きす、調味料までバスケットにつめていた。ロシア人のお友だちはイギリスと日本のハーフの男性と結婚しており、美男美女のカップルであるらしく、きょうはわたしも気合をいれてつけまつげしてきちゃった、とお茶目に話すのがかわいらしかった。駅で、ではまた、と別れる。こういうときの、ではまた、という挨拶には「また会えるといいな」というちょっとした願いのようなものが含まれていて、いいもんだなあと思う。

貧困にあえぐアメリカン南部の田舎町で、銀行強盗を企てた男が、大金の隠し場所を告げぬまま吊るし首にされた。やがて両手の指に「LOVE」「HATE」と刺青を彫ったハリー・パウエルが残された妻ウィラとふたりの子供たちの前に現れる。パウエルは未亡人になったウィラと結婚するが、その本当の目的は男が隠した金だった……。

ロバート・ミッチャム演じるパウエルが偏執的な異常者で、とにかく残酷でおそろしい物語なのに映像が美しくどこかしらおとぎ話のような牧歌的な雰囲気まで漂うのに水面下でずっと耐えきれないような緊張感がひそんでいる。みごとなフィルム・ノワールロバート・ミッチャムの眠たげな表情は、プロボクサーをしていたときに殴られてなったものらしく、スリーピング・アイと呼ばれていたらしい。