まみ めも

つむじまがりといわれます

変愛小説集 日本作家編

あさが来た「新春、恋心のゆくえ」が佳境。亀助さんとおふゆちゃんの恋模様「よ、よ、よ…」「お、お、お…」のやり取りに泣き笑いしてしまう。雁助さんもおかえり。台所の片隅の小さなテレビに三世代で釘付け&前のめり。

ト本。通路のブックカートにアンソロジーが並べられていて、その中から岸本佐知子編のヘンアイ小説集を選ぶ。

普通の恋愛小説の基準からはみ出した、グロテスクだったり極端だったり変てこだったりする物語の数々。川上弘美津島佑子など日本の作家による、奇妙で純粋で狂おしい愛の物語12編を収録する。『群像』掲載を単行本化。
1 形見 川上 弘美
2 韋駄天どこまでも 多和田 葉子
3 藁の夫 本谷 有希子
4 トリプル 村田 沙耶香
5 ほくろ毛 吉田 知子
6 逆毛のトメ 深堀 骨
7 天使たちの野合 木下 古栗
8 カウンターイルミネーション 安藤 桃子
9 梯子の上から世界は何度だって生まれ変わる 吉田 篤弘
10 男鹿 小池 昌代
11 クエルボ 星野 智幸
12 ニューヨーク、ニューヨーク 津島 佑子

岸本佐知子が「訳してぇぇぇぇぇ!」と地団駄した短編たち。岸本佐知子訳でも読みてぇぇぇぇぇ!と地団駄したくなる。どれもことばの羅列が際立っていて、紙の上に整然と文字列しているのが不思議になるような規格外のヘンアイの世界が辺際なく広がる。お気に入りは「逆毛のトメ」。