まみ めも

つむじまがりといわれます

ラヴレターズ

水曜の朝は駅前のミスタードーナツに入る。朝のセットが320円也。ブレンドコーヒーとクロワッサンマフィンのチョコアーモンド。アーモンドのダイスとチョコレートのかかったさくさくした生地の中にミルクとカスタードのまじったようなクリームとチョコレートのクリームが詰まっている。ブレンドコーヒーのおかわりは1回。BGMも人の声もざわざわとして、誰の会話も耳に入らない。この匿名感はやっぱりチェーン店の雑然さならではという感じで、心地よく、本がはかどる。ドーナツ屋にはいって穴の空いたドーナツを頼まなかったことがほんの少しうしろめたい。
夕方のお迎えで、遊歩道のわきに咲いているひなげしのつぼみをいくつかもらって帰る。いつも飲んでいる乳酸菌飲料の空いたカップに水を入れて、さしてやる。うつむき加減でうぶ毛をはやしたつぼみがいじらしい。

ラヴレターズ

ラヴレターズ

新着資料から予約したト本。

あれほど完璧に幸せだった恋は、後にも先にもないかもしれません-。作家、女優、画家、音楽家、タレント、映画監督など26人の著名人が、恋を綴る。『文學界』『オール讀物』掲載を増補し書籍化。 
いつかへのラブレター 吉本 ばなな
桔梗くんへ 川上 未映子
貴方と、 二階堂 ふみ
ラブレター 西川 美和
あなたの仕打ちへの「お返し」 壇 蜜
亡き猫のための恋文 小池 真理子
タダノリ君へ 横尾 忠則
7+2 山本 容子
心に墓を建てる 俵 万智
懐かしい伯父様へ 桐野 夏生
不機嫌なあなたへ 小島 慶子
悲しみのロマンス 姫野 カオルコ
より良き日のあなたへ 山中 千尋
片桐はいりさんへ 松尾 スズキ
岡村靖幸様 加藤 千恵
白鳥に憑かれた王子(クリストファー・マーニー)へ 松田 青子
コンビニエンスストア様 村田 沙耶香
寄席は、おっさん 春風亭 一之輔
拝啓飛行機さま 砂田 麻美
父への感謝状 中江 有里
ララへ 島田 雅彦
ふかくしのぶかたへ送る文 岩下 尚史
雲に寄せて 高樹 のぶ子
君よ、帰り来ませ 皆川 博子
拝啓日本様 橋本 治
遺言 長塚 京三

切ないおもい満載の一冊。返事のあてのない粘着質の手紙を、なけなしの自意識をすり減らしてしたためた日々がなつかしい。やっぱり返事はないままだったけれど、返事をくれないような人でなければ好きになれなかった。しあわせになりたかったはずなのに、しあわせにしてくれるような人を好きになれないというどうしようもない状態だった二十代。しあわせにしてくれるような人ではなかったけれど、その人でなければという人に出会えたおかげで、なんとかいまもやっていけている。しあわせかどうかということは、死んでから考えたい。