まみ めも

つむじまがりといわれます

猫のエッセイ 珠玉の35選

フクちゃんのはらいたがようやく治った。おでんは鍋の中が三巡め。つゆと具を継ぎ足ししているので、底の方に居座り続けている大根なんかは半ば溶けかかり、セピアを通り越した色合いに染まっている。つゆも透明度がうしなわれて、混沌としてきていて、なんとなくうれしい。練り物の苦手なフクちゃんの食べられるように、いもやブロッコリーや人参、豆腐をいれた。豆腐が思いのほかおいしくて、つるつる食べてしまう。フクちゃんの具合のよくない間に何度かスープを足して火を入れて寝かしてあったカレーが今夜久しぶりに食卓に再登場。熟成具合やいかに。

猫のエッセイ珠玉の35選

猫のエッセイ珠玉の35選

ト本。

ねことひととのやさしく、あやしい間柄を描く、小説・エッセイ・詩…35編を収録。
ネコロマンチシズム(内田百輭)、怪猫伝(徳川夢声)、猫(宮沢賢治)、黙っている猫(大佛次郎)、優雅なカメチョロ(室生朝子)、猫の絵(鴨居羊子)、ニャンともおかしなこと(なだいなだ)、ネコ(三木卓)、ぼくは猫する(寺山修司)、2匹の猫のこと(立花えりか)、僕も猫語が喋れる理由(景山民夫)〔ほか〕

ブックフェアの猫本コーナーから拝借。コア出版。空気の中にひそむ空想の猫をなでる流線形のぬくもりが感触になってあらわれる。「猫」する一冊。