まみ めも

つむじまがりといわれます

異類婚姻譚

連休は長野行。かがやきにワイドビューしなの大糸線を乗り継いで信濃大町まで。車窓から日本アルプスがくっきりとまぶしく見えた。駅まで両親と兄家族が車できていて、みんなで宿のKに向かう。おかあさん、張り切ってパウンドケーキを二本も焼いてきた。暇つぶしに知恵の輪にトランプも持参する用意のよさ。ひと休みしてからお湯へ。あつーいお湯。露天風呂はあっつーいお湯で、肩まで浸かれないで終わった。夕飯のあと、フーちゃんをお湯に入れて、ねかしつけのあとでまたお湯にいく。よその宴会のどんちゃん騒ぎをBGMに文庫本をぺらぺらやりながらスーパードライを飲み干して寝た。2日めはお湯、ごはん、博物館、塩蔵、コーヒー、玉子丼、美術館、お湯、ごはん、お湯、お湯、ビール。2日めの夕方から雪になり、3日めの帰りは雪景色がまぶしかった。朝のお湯のあとでごはんを食べ、車で駅まで送ってもらい、帰途についた。乗り換え駅の松本でおやきを買った。風呂には人が少なく、女将と中居さんは妖怪めいたおしろい顔の老女、どことなくツメの甘い宿で、沸かし忘れていたぬる湯をふくめ、みなよい思い出になるのだろう。

異類婚姻譚

異類婚姻譚

義父の書斎本。

専業主婦の私は、ある日、自分の顔が夫とそっくりになっていることに気付き…。「夫婦」という形式への違和を軽妙洒脱に描いた表題作ほか、自由奔放な想像力で日常を異化する全4編を収録。『群像』『新潮』等掲載を書籍化。
異類婚姻譚 p5-110
犬たち p111-134
トモ子のバウムクーヘン p135-146
藁の夫 p147-166

お盆やお正月の鎌倉で、芥川賞直木賞の受賞本を借りて周回遅れで読むのが恒例となりつつある。本谷有希子の受賞は2015年下期なので、ちょうど一周遅れ。「藁の夫」は変愛小説集で読んでいたので再読。義父から借りた本には、受賞時の新聞の切り抜きがはさまっている。本文を読んだあとで切り抜きを読んだら、本谷有希子が、この話からパソコンを使わず手書きの原稿にするようになったら、いい具合に適当になってきて、「ここはあとで何か書いて下さい」と未来の自分に預けたり、絵や図を描いたり、そんなふうにしてできあがった、と話していた。もちろん完成形もたまらなくおもしろかったけれど、未完のバージョンも見てみたい。