まみ めも

つむじまがりといわれます

藁屋根

このごろよく作るメニューが、鶏飯。ほんものを食べたことがないのでいい加減に作るけれど、こどもたちも気に入ってよく食べる。週末のうちにもも肉をレンジで酒蒸しにしておき、ほうれん草のおひたしも用意しておく。食べようという日には、たまごやきを作って(ほんものは錦糸卵だと思うけれど、料理の手間をはぶいてたまごやきにしている)、もも肉のスープをあたため、がんものだしで甘く味つけする。ごはんのうえにもも肉、たまごやき、ほうれん草をのせて、最後にスープをかける。しいたけの甘辛煮をのせることもある。もも肉のスープがおいしい、スープを吸ったごはんもおいしい。蒸し鶏を手でほぐせば包丁のいらないのもうれしい。きょうはぼんやりしていて手もとが危ういなというときにはこういう刃物のいらないメニューは気が楽だ。

藁屋根 (講談社文芸文庫)

藁屋根 (講談社文芸文庫)

ト。

“大寺さん”連作のうち、若かりし日にあたる表題作はじめ3編を収録。ほか、恩師・谷崎精二との想い出を綴った「竹の会」、アルプス・チロルや英国の小都市を訪れた際の出来事を描いた作品4編を併録した短編集。
藁屋根 p7-34 
眼鏡 p35-62 
竹の会 p63-114 
沈丁花 p115-137 
キュウタイ p138-155 
ザンクト・アントン p156-165 
湖畔の町 p166-185 
ラグビイの先生 p186-202 

庄野潤三の本の中では、酔っぱらって帽子をなくしてしまう(そしてつぎの日に木に引っ掛けてあるのをみつける)エピソードでおなじみのおちゃめな小沼丹の短編集。どうということのない些細なできごとを丁寧に綴ることで、ありありとこまやかな情感が再現される。そしてどうということのないこういう文章はじつはなかなか書けるものではない。