まみ めも

つむじまがりといわれます

ベトナム戦記

毎夏恒例の下田に出かけてきた。タクシーで大船まで出て、伊豆踊り子号にのって下田まで。海辺のホテルでのんびり過ごす。今年はフーちゃんも水着で海辺に出た。波を怖がるので砂浜で穴を掘って遊ぶ。穴を掘ったところに海水がわずかに滲み出てくると、そこにからだを浸している。砂をからだに盛ってやる。かたまりにくい砂でだんごをいくつも作って積み上げた。骨折れのセイちゃんも砂遊びでトンネルを掘って護岸工事がたのしそう。フクちゃんは頭まで波につかっていた。みんなよく日に焼けた。朝は5時に起きて温泉に浸かり本を読み、ヨーグルトとパイナップルとトマトとオムレツをたらふく朝ごはんに食べ、サンドイッチのお昼、昼寝につきあって本を読み、夜はローストビーフと金目鯛、こどもたちが寝たあとでビールを1杯飲んであっという間にねむたくなってしまう自堕落な生活を3日味わった。帰りの電車で食べるおやつにハイソフトとチェルシーのバタースカッチを買った。ハイソフトには日本の名城カードがついていてうれしい。懐かしく脳髄にとける濃厚な甘さよ。

ベトナム戦記 (朝日文庫)

ベトナム戦記 (朝日文庫)

2014年5月のブ。108円也。

この本は1964年末から65年初頭にかけて、開高健サイゴンから「週刊朝日」に毎週送稿したルポルタージュを、帰国した開高自身が大急ぎでまとめて緊急出版したものである。
1.日ノ丸をいつもポケットに…
ベトナムの匂いはすべて “ニョク・マム”
どこへ行っても必ず従軍僧と “憂国筆談”
十七度線国境付近と、そこに住む人びと
2.ベトナムのカギ握る?仏教徒
統一力を持つのは仏教徒とベトコンだけ
記者を東奔西走させる怪情報
烈日の下、八日間のクーデター
3.ベトナム人の “七つの顔”
ベトナム人はユーモアが好きである
ベトナム人は寛容であり、短気である
ベトナム人の十七歳には、すぐ火がつく
ベトナム人は命を粗末にする
ベトナム人には三つの性格がある
ベトナム人の心は複雑で、ベトナム人自身にもよくわからない
ベトナム人には、こんなことが起る
4.“日本ベトナム人” と高原人
アメリカも、ベトコンもベトナムから出て行け」
「…日本人は殺さない、…尊敬している」
5.ベトコン少年、暁に死す
6.“ベン・キャット砦” の苦悩
ジャングルの海に漂う砦と兵と人
砦の床下にまでおよぶ、ベトコンのトンネル
すべてがつかれきっている、すべてが…
7.姿なき狙撃者!ジャングル戦
8.ベトナムは日本に期待する
爆撃、砲撃が農民をベトコンに走らせる?
戦争は階段を一つ上がった、どこへ行くかアメリ
9.あとがき
解説 限りなく “事実” を求めて(日野啓三

「アジアの戦争の実態を見とどけたい」という開高健の動機の通りに戦線の実態が隈なくことばにされていく。こんなにもやるせないことのど真ん中に部外者としているのは本当にしんどいことだっただろうと思う。