まみ めも

つむじまがりといわれます

ナイト・アンド・ザ・シティ

ニュースで「そげ胸」という単語を知る。もともと胸板はなかったし、むしろ薄い胸が気に入っていて、自分のからだのパーツでは鎖骨が好きだったのだけれど、妊娠出産を経て、いったんものすごく膨らみはしたものの見事なほどにしぼんでお役御免を告げてくれる。その様子はそげているというよりは抉れているという感じに近い。このクソッタレの世界では、もともとなかったものがなくなるということが起こりうるんだぜベイビー。しかし抉れたことに格別に傷つくわけでもなく、歳をとってわかるのは、自己評価が低い人生を歩んできたおかげでルックスの変化で落ち込むことはほとんどない。ただ、鏡の中の自分が具合悪そうにうつることだけは気になり出し、きらきらした成分の入ったBBクリームを塗り、頬には赤みをさすようにしている。見た目に少しでも血の気があると、自分でも慰められる。そんなわけでここのところ体調はくすぶっている。喉がいがいがし、変なできものが生えてきて、コーヒーもビールもなんとなくまずい。ごはんもあまり味がしない。

ナイト・アンド・ザ・シティ [DVD]

ナイト・アンド・ザ・シティ [DVD]

プ。1992年。

ニューヨークのしがない弁護士ハリー(デ・ニーロ)は、ボクサー同士の揉め事を仲介したことから、ボクシングの興行をプロモートし、ひと花咲かせたいと願うようになる。愛人で、バーの経営者の妻ヘレン(ラング)はいつかカリフォルニアに行きたい思っていた。その希望も叶えてやりたかったのだ。だが、そのせいでハリーはトラブルに巻き込まれることになるのだった……。「街の野獣」(50)のリメイク作品。

デ・ニーロの人を食ったような役柄は演技なのかなんなのかよくわからない。どこかで見覚えのある男がいると思ったら、ゴッドファーザーPART IIIで毒入りのカンノーリを盛られるアルトベッロ役のイーライ・ウォラックだった。ゴッドファーザーPART IIIは1990年。人の名前と顔を覚えるのが絶望的に苦手なので、ほかの作品に出ている人に気がつくと、神経衰弱で同じ札を引き当てたようなよろこびがある。