まみ めも

つむじまがりといわれます

猫は音楽を奏でる

先週、おひとりさまの水曜日は台風が近づいて三時に帰るよういわれた。躊躇せずタイムカードを切り、帰宅困難者を出したくない社の意向を忖度し、最寄駅についたあとは自由を謳歌することにした。向かうはブックオフ
タマリンドの木 池澤夏樹
知識人99人の死に方 荒俣宏
帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。 高山なおみ
きらめくジャンクフード 野中柊
こちらあみ子 今村夏子
秘密と友情 春日武彦穂村弘
単行本のタマリンドが200円、文庫はすべて108円で740円。それから遠回りをしてお気に入りのケーキ屋に寄り、モンブランとブルーベリーのタルトを買う。家に帰ってグリーンラベルを一気に飲み干したら、なんだかお腹がふくれてしまい、次の日の朝五時にケーキを食べた。朝イチのケーキは佇まいはソリッドだけどおいしさが減る。朝は舌があまいの支度をできていない。

猫は音楽を奏でる

猫は音楽を奏でる

ブ。いくらか忘れてしもた、108円か200円、たぶん。

人間を虜にしてやまない可愛らしくも妖艶な存在、猫。角田光代三浦しをん恩田陸北村薫養老孟司藤田宜永など42人が、愛猫について綴る。猫文学紙『ねこ新聞』掲載を単行本化。
猫は語る 角田 光代
性懲りもなく 小池 真理子
ブチャイクよ永遠に 三浦 しをん
味オンチ 出久根 達郎
得手勝手 養老 孟司
今は猫がいません 内田 春菊
猫に学ぶ 神林 長平
トラの生涯 夏目 房之介
焦げ茶の王朝 佐藤 賢一
猫とはつかず離れずが平穏だ 高村 薫
最後のペット 斉藤 由貴
ぼーっとした天使 渡辺 真理
萩尾さんちのねこたちです 萩尾 望都
ねこマキ 黒川 博行
猫との春秋 佐野 眞一
吾輩は猫である。まだ、なめられてはいない 北村 薫
猫になる幸せ。 高見 恭子
永遠の子供 楠田 枝里子
猫たちに 高橋 克彦
でかいチビ なぎら 健壱
お花のいる家 平岩 弓枝
一匹っぼっち 来生 えつこ
連れてゆきたい 浅生 ハルミン
ふたりのねこ持ち 江川 紹子
いつまでも一緒に 蝶野 正洋
ネコの館 牧 伸二
説教 石牟礼 道子
ゲバ猫と「裸のサル」 小松 左京
猫アレルギー 藤原 智美
漱石の家の猫 車谷 長吉
父のネコ、私のネコ 香山 リカ
僕のご近所さん 須藤 元気
ニャオ 山本 一力
猫の茗字 岸田 衿子
ネコと待ち合わせる駅 関川 夏央
ハチワレ猫ちゃん 宮城 まり子
外猫ケンさん 村松 友視
ユダヤの民 奥泉 光
うちのかま猫 内館 牧子
家内亡きあと、猫もいない 川本 三郎
猫占い 恩田 陸
“さささっ”の猫 藤田 宜永

猫本は買わずにいられない。かといってそこまで猫好きかといわれるとそうでもない。本の中のまぼろしの猫が好きなのかもしれない。神林長平の猫によると
「生きるのに努力なんか必要ない」
「猫をやるにも、苦労はある」
そうで、そういえば、努力も苦労もしていないような気がして途端に不安になる。木にものぼれやしない。