おしるしがあり、ぐりぐりする断続的な痛みでひどい寝汗をかき、夜はまともに眠れないのがふた晩つづいた。きのうは朝も寝床から起き上がれず、なんとか階下におりてソファに寝そべり、家族を見送ったあとで、すこし動けるようになって、おそ朝のフルーツとジュース、入院の支度を確認して、ソファにもたれて本をぺらぺらと眺めて過ごした。お昼は精をつけようと思って、ごはんを炊き、とっときに買っておいたうなぎを1/3尾、チンして、タレをまぶし、本当なら大葉と茗荷をたっぷり刻みたかったけれど、痛みが15分おき、立ち上がるとギューとするので、大葉を一枚だけちぎってのせたうなぎ飯をかきこんではや昼。病院に電話をし、タクシーを呼びつけ、歯みがきとこども宛のメモを残して、病院についたのが正午すぎ。いるかの舞う産室で、産ぶ声は二時間後だった。こんにちは、瞳のうるうるしたばびちゃん。
ト。
- ハンカチの上の花畑 p9-116
- ライラック通りの帽子屋 p117-154
- 丘の上の小さな家 p155-214
- 三日月村の黒猫 p215-304
- 昔おぼえた詩 p306-308
- 私のアンデルセン童話集 p308-311
- 小人との出会い p311-312
- 小人と私 p312-313
- 「ライラック通りの帽子屋」のこと p313-315
- 童話と家事と p315-317
- 家の中の仕事 p318-320
妊娠中は食べものだけではなく本にもつわりがあるようで、そんなときに、苦みのあるさわやかな安房直子はぴったりだ。どこにもいかないで一番とおいところまで連れてってくれる。そして、ほんのりと、世界に魔法がかけられる。