まみ めも

つむじまがりといわれます

追伸ー二人の手紙物語

年末におとうさんの名前で届けられたりんごがあって、なんとなく惜しくてちまちまと食べていたら、もけもけしてきた。当たり前だけれど、もうこの名前でなにかが届くことはないのだな。iPhoneのなかのふるい動画をみていたら、がんが再発する前のものがあって、うちで日本酒を飲みながら機嫌よくしている。あの酔っぱらったあとの隣の部屋まで響くものすごいいびきを聞くことももうない。手のひらにおさまるiPhone SEの中に、灰になってしまった人の動く姿や声があって、いまは再生できるけれど、なんだか砂のように指の間からこぼれ落ちていきそうな気がしてしまう。生きるということは懐かしいという感慨が年齢を重ねるうちにどんどん深くなる。

追伸―二人の手紙物語

追伸―二人の手紙物語

  • 作者:森 雅之
  • 出版社/メーカー: バジリコ
  • 発売日: 2004/06/01
  • メディア: 単行本
 

ト。

 札幌-東京。遠く離れた恋人への手紙。綴り切れない思いを「追伸」に託して…。ありふれてはいるけれど、なぜか懐かしく、せつない。心にしみるラブストーリー。

実家の新聞の一面に、あさイチで紹介されたという書籍広告がでていて、思わずつられてしまった。ケイタイもスマホもない時代のやりとりが、頼りなく、もどかしい。うちでは新聞をとっていないので、実家から届いた荷物の中の芋などが新聞紙にくるまれていたりすると、まじまじと読んでしまう。郷土力士の記事や、日曜の読み物特集や、数独がのっていたりすると、うれしい。