まみ めも

つむじまがりといわれます

恋文の技術

夕方、こどもたちとお母さんとサンを連れて散歩に出る。おなかがずしりと重たくて、骨盤はばらばらになりそうだし局部にはぱちんと弾けそうな予感がしてゆっくりゆっくりしか歩けない。おなかの膨らみの頂点がさがって、うつむいたときに見えるおなかのシルエットが変わってきた。
サンは、いきつけの獣医さんが保健所にいたのを引き取って飼うつもりだったのを、おかあさんが見かけて、顔が白茶のツートンにたてに半分こになっているのを、先代のバッハに似ているというので、譲り受けてきた犬。うちにきた動物でははじめての雄。保育園のバス(あかずきんちゃん号)の送迎で家の前にでるときに、庭先にいるサンを撫でてやる。色素の薄い目で、おどおどして撫でているときにじっと見つめると目が泳いでいるのがかわいい。

恋文の技術

恋文の技術

小松のブックオフで108円。森見登美彦が何冊かあって、その中からなんとはなしに書簡小説ということで選んだ本だったけれど、おなじみ京都に加えて能登が舞台になっていることを知ってときめく。内容としては森見登美彦の十八番、モテない理系大学院生の恋物語で、能登の研究所からいろんな人に宛てて書いた手紙が展開していく。どこかしらファンタジックに着地しないで足が地につかないまま浮遊感のある終わりかたはさすが。
どういう手紙が良い手紙か、恋文の技術、それぞれ最後にちゃんと森見登美彦流の答えが書いてあって、わたしも久しぶりで誰かに手紙を書いてみたくなった。