まみ めも

つむじまがりといわれます

グラン・トリノ

水曜、ふーたんの遠足で六時起き。リクエストのから揚げを作る。今回は土井義晴レシピで、小麦粉と片栗粉を順番にまぶしてからコールドスタートで揚げる。二度揚げレシピより汚れないのがいい。ほかのおかずは作りおきで、大学いも、人参の甘いソテー、ブロッコリー、ゆで卵。100均で買った抜き型で人参を抜いたら心がはずんでしまって、たくさん散らしてしまった。桜だとか梅だとか、ちんまりとして、人参のくせにいじらしい。おにぎりはゆかりとこんぶ。デザートに冷凍のいちごを忍ばせたら、内緒でいれるなとむすっとされた。

木曜はせいちゃんの社会科見学でやっぱり六時起き。卵焼きをつくり、から揚げ、ブロッコリー大学いもかぼちゃサラダに冷凍いちご。おにぎりは塩とこんぶ。

土曜は小学校のバザーでやっぱり弁当。六時半起き。やっつけで、そぼろにゆで卵、ブロッコリー大学いも、人参。

弁当はすべてからになって帰ってきた、めでたしめでたし。

お父さんの病状はずっとくすぶり続けている。生き延びる分だけ苦しみが続く。そして離れているとどうしても蚊帳の外という感じで、お呼びでない気持ちになって、つい居場所を求めてしまう。居場所なんか作ってどうすんだ。

グラン・トリノ (字幕版)
 

プ。

偏屈な老人とアジア系移民一家との交流をつづる人間ドラマ。妻に先立たれ孤独に生きる老人ウォルトは、隣家のモン族の少年タオを不良から救い、姉のスーら彼の家族と親しくなる。
クリント・イーストウッド
ビー・バン
アーニー・ハー
クリストファー・カーリー
コリー・ハードリクト
ブライアン・ヘイリー
ブライアン・ホウ
ジェラルディン・ヒューズ
ドリーマ・ウォーカー
ジョン・キャロル・リンチ

クリント・イーストウッドが苦虫顔でやっぱり超越している。まえに見たときはクレジットの歌声でずっこけた記憶があるけれど、今回はしゃがれ声が悪くないと思った。日曜ののど自慢をきいているので、素人の歌声に耐性が出てきたかもしれない。クリント・イーストウッドに素人なんて言ったらBangと人差し指で撃たれそうだ。

買い物の九割は失敗です

日曜の昼下がり、5か月にしてはじめておひとりさまの時間をもらった。お目当てのカフェは席がなかったので早々に見切ってロイホに入る。今柊二を読んだばかりでホットファッジサンデーにとてもとても惹かれたけれどシーズンメニューの渋皮栗とほうじ茶のモンブランパフェ858円にドリンクバーをつけてもらう。ほうじ茶の淡さがさすがロイホだ、ロイホはいつでも正しい。コーヒーにおかわりはホットココアを飲んだ。あっという間に夕暮れが来てしまう秋の日の心許なさにきゅんとする。

買い物の九割は失敗です

買い物の九割は失敗です

 

ト。

喉もと過ぎれば熱さを忘れる。だから今日も懲りずにポチッとね。「100パーセント満足」を求め続けるスリリングなお買い物エッセイ。情熱を込めて買った商品たちのその後も報告。

 武田双龍さんの書がアクセントになっている。九割というか、消えもの以外は買ったら負けみたいなところがある。

スイーツ放浪記

金曜で結婚式から10年だった。わが家では夫婦の記念日になんとなくオムライスやハントンライスを食べる習わしになっていて、やっぱりオムライスをつくった。いつもはチキンライスに卵を炒めてのせるけれど、野菜だけのケチャップライスにして、もも肉は大きく切ってぶりぶりの照り焼きにした。例年通りガーベラの花束をもらう。10本の内訳は八重のオレンジが2本、残りはスパイダー咲きでオレンジと黄色が2本、白が1本、ピンクが3本。せいちゃんとふくちゃんも、紙を切り貼りして花束を作っておめでとうと渡してくれた。一年前は泥舟にのったような心地で覚えてろよと思うばかりだったけれど、このごろマシになったと思う。週末、別所沼を一周歩いたときに、手をつなごうといわれて悪い気はしなかった。しょうがない、チャールズとは結婚できないし、わたしもキャロラインではないもんな、と「大草原」を見ながら思う。お互いにこれでやれるところまでやるしかない。

スイーツ放浪記 (中公新書ラクレ 618)

スイーツ放浪記 (中公新書ラクレ 618)

 

ト。

定番洋菓子店、老舗甘味処はもちろん、気軽に入れる街の喫茶店、ファミレス、ファストフードまで。大の甘党が日本の甘味文化に思いを馳せながら、全国津々浦々のスイーツを食べ歩く。『読売プレミアム』連載に加筆し書籍化。

 今柊二の「おっさんのための救済の一冊」がすごく刺さってしまう。パフェを掘っていく今柊二にほのぼのする。洋食ウキウキでは水の出てくるタイミングまで丁寧に教えてくれるところがよかったけれど、スイーツなだけあって、今度はコーヒーにみるくを入れるタイミングを書いているところがすごくいい。いつかロイホでホットファッジサンデーを掘りたい。

村上春樹全作品-1990〜2000 [2]-4 ねじまき鳥クロニクル 1

金木犀が雨で落ちてしまい季節のすごろくがまたひとつ進んだ。

月曜日、ふくちゃんの遠足で六時起きして弁当作り。リクエストのお品書きを書いてもらった。縦書き。

うめぼしおにぎり てりやき あまくにたにんじん、さつまいも きりぼしだいこん

塩もみのきゅうり、たまご焼きを追加した。

火曜日、昼間にテレビをザッピングしていたらレミさんがうつって、ワダさんへの手紙や、すっぴん顔、涙、胸が詰まった。レミさんが料理してるとき、レミパンの縁に箸やフライパンをちゃちゃっと打ちつける仕草がすごくいい。

水曜日、ふーたんと上野動物園にいく。駅のスタバで水筒にアイスコーヒーを氷少なめで作ってもらい、はちみつと無脂肪乳を足す。開園と同時に入って、こども動物園でモルモットとなかよしのチケットをもらい、あとはおやつを食べながらぶらぶら。パンダは行列で断念。モノレールに片道乗った。10月いっぱいで廃止になるとかでカメラを構えた人がたくさんいた。お昼はレストランで。ふーたんのなでたモルモットはしらすちゃんという女の子だった。売店でモルモットのぬいぐるみを買って、帰りの駅でアイスコーヒーのおかわりを入れてもらう。電車を降りてバーガーキングでソフトクリームを舐めて公園に寄って帰宅。二万歩也。

村上春樹全作品 1990~2000 第4巻 ねじまき鳥クロニクル(1)

村上春樹全作品 1990~2000 第4巻 ねじまき鳥クロニクル(1)

 

ト。

ワダさんの訃報に触れて借りてきた。表紙はイタリアの地図にMaltaと書いてあって気がきいている。こういうとこが、ワダさんであり、レミさんの夫であるところの人だよな。ワダさんとレミさんの結婚は、いいときにはとてもいいと村上春樹がいうところのいいときがたくさんあったに違いない。

オデッセイ

週末、ふーたんの運動会。ぴょんぴょん跳ねて踊って、親子競技はセイちゃんにお願いして、2度も走った。セイちゃんは小学生競技に出て、鉄棒で頭から落っこちるのでひやひやした。人前の失敗をいやがるふくちゃんは競技には出ず、おじいちゃんの膝に甘えていた。お昼はロイヤルホスト。あまり食欲はなく、しかし肉欲はあり、アンガスサーロインステーキサラダ。食後に渋皮栗とほうじ茶のブリュレパフェ。それから伊勢丹でお買い物。ふーたんはズッカでコートとワンピースにタイツ、くつ下を自分で選び、げんちゃんはミキハウスロンパースを2着、せいちゃんとふくちゃんにはワッフル地のカットソーとチノパン、フリースのプルオーバーを選んでプレゼントしてもらった。おさがりをたくさんもらって、よその子のセンスを纏っているわが子というのがわりと好きなのだけれど、新品のお洋服、とくにふーたんは自分で選んだお洋服を買ってもらったのがよほどうれしく、毎日着たい!と大よろこびした。

オデッセイ(字幕版)

オデッセイ(字幕版)

 

プ。原題: The Martian

宇宙飛行士のマーク・ワトニーは火星での探査中、嵐に巻き込まれてしまう。仲間はワトニーが死亡したと思い火星を離脱するが、彼は無事だった。食糧も酸素も水も足りない危機的状況でどう生き延びるか、ワトニーはさまざまなアイデアを実行するが…。主演マット・デイモン、火星にひとり取り残された主人公の奇跡の挑戦と、NASAによる大胆な救出作戦を、巨匠リドリー・スコット監督が圧倒的スケールで描くSFアドベンチャー

 公開当時、いもいもと言われていたけれど、そんなにいもを食べたくはならなかった。

むらさきのスカートの女

よくいくスーパーが周年祭で豚ひき肉が廉売だったので買い込み、週末に餃子をこさえた。ひき肉を練ったところにみじんのキャベツを混ぜて味付けをして、にら入りとパクチー入り。大判の餃子の皮30枚をつかって、にら60個、パクチー30個。赤子泣いても餃子を包む。丸大ハムの皮はもちもちして苦しゅうない。パクチーは駅前の青物屋にあったりなかったりしてやきもきしていたけれど、最近商店街のはずれの店には安定して入荷していることを知り、麻婆豆腐にもパクチー、餃子にもパクチーピータン豆腐にもパクチーという感じで草をきめまくっている。

【第161回 芥川賞受賞作】むらさきのスカートの女

【第161回 芥川賞受賞作】むらさきのスカートの女

 

ト。

近所に住む「むらさきのスカートの女」が気になる<わたし>。自分と同じ職場で働くよう彼女を誘導し、その生活を観察し続け…。狂気と紙一重の滑稽さ。<わたし>が望むものとは? 『小説トリッパー』掲載を単行本化。

パクチーラムチョップと今村夏子は素通りできない。むらさきのスカートに黄色いカーディガンを羽織り、逃げてしまおうか。

さよならのあとで

台風一過でなにかが一挙に花開いたらしく、鼻はぐずぐずするし、目も身体もかゆくて、全身くまなくフェミニーナ軟膏のお世話になりたいくらいデリケートになってしまった。心のなかだけは折りよくタフなタイミングでよかった。どこかの下着メーカーが、胸を締めつけるのは恋だけでいいみたいなコピーを使っていたけれど、恋で胸を締めつけられるのもこれまでにたっぷり味わったのでもうこれ以上は勘弁してほしいなと思ってしまった。もちろん、ブラジャーだって補正力ゼロで布を当てている程度のものなので、いっそしなくてもいいんじゃないかと思うときがある。実際しないときもある。

急に季節のすごろくがすすんだので、鍋を戸棚から下ろして水炊きをした。ぶつ切りにしたもも肉に塩を振って、大根と一緒に弱火でくつくつ一時間、そこにえのきとうっふんうっふんな白菜とねぎと豆腐、くずきり、トッポギ 。柚子胡椒とぽん酢。

さよならのあとで

さよならのあとで

 

ト。

死はなんでもないものです。私はただ となりの部屋にそっと移っただけ。英国教会の神学者であり、哲学者でもあったヘンリー・スコット・ホランドの詩の邦訳を、絵本作家・高橋和枝の絵とともに収録。

 コハガラナクテモイヽと宮澤賢治はいうけれどもやっぱり心配でこんな本を読んでしまう。何度も読み返した。大草原の小さな家では、キルトを完成させるのと同じよといったおばあちゃんがいたっけ。隣の部屋にうつるだけ、曲がり角のむこうにいくだけ、それでも心細い。ずっと同じように名前を呼びたいし、呼んでほしい。