まみ めも

つむじまがりといわれます

すべて真夜中の恋人たち

バレンタインデーの日曜日、ココアを入れた生地のケーキを焼いた。夕飯はロピアで手に入れたかたまり肉でローストビーフ。セイちゃんとフクちゃん、緊急電話用にほしいという口実で持たせてあった100円玉を握りしめてコンビニにいき、バレンタインの買い物をしたらしく、ケーキを食べる段になって「重大発表があるよ」といそいそと包みを出してきた。セイちゃんはチロルチョコよっつとあめ玉ひとつで97円。フクちゃんは、100円のアーモンドチョコレート。フクちゃん、消費税のことがわからず困っていたらお店の人が8円をおまけしてくれたらしい。ふたりとも家族に贈りものをすることがなにやら得意げなのだった。出血はしんどいし乳首はひりひり痛むしいらいらは募るしで散々な気持ちだったけれど、最後はほんの少しやわらかく着地。

チョコレートのあとでお雛様を飾った。

すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)

すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)

 

ト。

ふたりで話したことを思いだし、とてもすきだったことを思いだし、ときどき泣き、また思いだし、それから、ゆっくりと忘れていった…。恋愛の究極を投げかける長編小説。『群像』掲載を単行本化。

再読。不器用なひとたちが一生懸命つながろうとしている。途中、せつなくてページがめくれなくなってしまった。

私の中の男の子

土曜の朝に早起きできるはずもなくておかずのクッキングを録画(しかも周回遅れ)でみている不届きものをやっている。ハヤシライスの回で、土井先生が玉ねぎを焼きながら、合間に本が読めるんですよてなことを言うのでオッとなっていたら、玉ねぎがゆっくりしたい言うてはんねんから、と被せるように言う。してはる、という言葉がどんなもんなのかわからんけど、いい言葉づかいだなとそれだけ思う。

私の中の男の子

私の中の男の子

 

ト。

19歳で小説家としてデビューした雪村は、周囲から「女性作家」として扱われることに戸惑いを隠せない。性別など関係なく作家として生きたい雪村は、仕事に意欲を燃やし出し…。『FIGARO japon』連載を単行本化。

火花と逆のパターン。適切であるということはとてもハードルが高い。

オリガ・モリソヴナの反語法

遊歩道のわきには、おとなりのお爺さんが面倒をみていた、畑とも呼べないようなちいさな地面があって、工夫をこらして、季節ごとに花が咲いたり野菜が実ったり、それが歳時記のように季節を教えてくれる。お爺さんが怪我で入院してずいぶんたち、おそらくお爺さんがマジックで書いた「福寿草」の札のあたりをいつも何気なく眺めていたのだけれど、日曜のあたたかなひだまりの中で、こまかな雑草にまぎれて黄色い花がひとつ咲いていた。また春がくるのだなと思う。

オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)

オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)

 

金木書店の百円の均一棚にあった。米原万里の小説ははじめて。鈍器にできそうな厚さと重さに怯んだけれど、読み始めたらおもしろくって、ページを繰る手が止まらなくなる。魔法のようなストーリーテリング

惚れるマナー

おととい春一番が吹いた。セイちゃんが校庭で拾ってきた白梅の枝に、ひらいた花と、ひらきかけの蕾と、閉じた蕾がついていて、鼻を近づけるとふわりと匂う。久しぶりにホットプレートを出してお好み焼きをする。においが上にこもるので階段をあがったところの窓を開け放っておいたけれども、窓のそばがそんなに寒くないのだった。ふとんの下の薄がけを一枚へらす。

ト。

マナーの難問が大人を磨く! 人の家のトイレのマナーから、おばちゃんのマナー、聞き上手のマナー、物忘れのマナーまで。芸人や作家が日常の小さな悩みと格闘するエッセイ集。『読売新聞』火曜夕刊掲載を単行本化。

ホッとする会話のマナー

ママは手強いマナー

友情が熟成するマナー

招かれる客のマナー

舌が肥えちゃうマナー

病むお年頃のマナー

男と女の禁断のマナー

老いも若きもマナー

エキゾチックJAPANのマナー

世界のびっくりマナー

旅は道づれ世はマナー

ココロでバトンリレーのマナー

拾う神のマナー

仕事人の必殺マナー

動物に教わるマナー

言葉に命を宿すマナー

ちょうどいい暮らしのマナー

季節を歩くマナー

さまざまな書き手のつれづれとしたことが綴られている。野沢直子柴崎友香、よかった。

ビーザスといたずらラモーナ

遊歩道のきわにある蝋梅が鼻先をくすぐるようににおって、すこしずつ春の気分が町に漂いだす。夕暮れが遅くなり、仕事のあとで帰り道の夕陽があかるい。あたらしい仕事が舞い込み、調べものに明け暮れる。駅前のスーパーで菓子パンが安くなっていて、金時豆のパンを五つも買い込んでしまった。菓子パンを買うときには穂村弘がおりてくる。だめ加減に甘くなる。いつのまにか春のパン祭りが始まっていて、もう春なのかもしれない。今夜は節分なのでキンパを巻く。

ト。

ピーザスの悩みは、妹のラモーナだ。4歳なのに、次から次へといたずらをして姉を困らせる。図書館から本を借りると、どのページにも自分の名前を書く。友だちのキャンデーはなめる。やんちゃで聞き分けのない妹。

ぶっとびなラモーナに翻弄されるビーザスのふつうっぷりがとにかくいじらしい。ビーザスを主人公にしたところがとてもいい。

八日目の蝉

今年は新年の訓示が動画配信だった。二日間の決まった時間にしか見られないプレミアものの動画なので、仕事を調整してデスクでインスタントコーヒーを飲みながらありがたく拝聴しておったら、新年早々「根性」という単語が登場して一気に萎えた。令和の時代のおことばは、笑う門には福来る、笑っていれば人の心が読める、未来が読める、といったようなもので、微苦笑。

八日目の蝉 (中公文庫)

八日目の蝉 (中公文庫)

 

ト。

逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか。誘拐犯と誘拐された子。ふたりの女の心に分け入ることで家族という不可思議な枠組みの意味を探る。心をゆさぶる長編サスペンス。

ぐいぐい読んでしまう。しんどさ&身に覚え。

ヘンリーくんとビーザス

FLOSS or DIEを肝に銘じてせっせとフロスをしていたら歯の詰め物がぽろりととれてしまった。歯医者に夕方の予約をねじ込んで、仕事を昼上がりにしてもらい、すこしのんびりした午後を過ごす。通勤の途中駅でおりて、モンブランを買いに行く。Uの店のモンブランは、今年はタルトの上に和栗がしぼられている。中にマロングラッセがひとつぶ。去年と同じような顔をしてちょっと違う。ブックオフも物色したけれどほしい本はなかった。歯医者で無事に詰め物をセメントでかためてもらった。

ヘンリーくんとビーザス (ゆかいなヘンリーくん 3)

ヘンリーくんとビーザス (ゆかいなヘンリーくん 3)

 

ト。

近所の友だちがかっこよく新品の自転車を乗りまわすのを見て、ヘンリーくんは自転車がほしくてたまらなくなりました。なんとかしてお金をためようと、なかよしのビーザスの協力をえて、知恵(ちえ)をしぼります。でも次つぎとおかしなことにまきこまれて…。ヘンリーくんは自転車を手に入れられるのでしょうか?

アバラーととなりの牛肉

ヘンリー、お金持ちになる

アバラーの珍訓練

アバラーの駐車違反

ビーザス、競売でせる

ヘンリーの特売自転車

ヘンリー、ドッグフードを食べる

三年ぶりにふくちゃんからのバトンで読むヘンリーくんシリーズ。サーモンを捕まえるところに続いて自転車を手に入れるくだりもまったく覚えていなくてグッときた。