まみ めも

つむじまがりといわれます

テーブルはテーブル

テーブルはテーブル
ブックオフで105円。目次をひらくと、地球はまるい、テーブルはテーブル、アメリカは存在しない、発明家、記憶マニアの男、ヨードクからよろしく、もう何も知りたくなかった男、というふうに短編の題がならんでいて、なんだかおもしろそうだと思って買ったのだけれど、要はことば遊びの一冊で、正直なところ、わたしはちっとも楽しくなかった。例えば、テーブルはテーブルという話は、ある中年男が、単語をすべて自分勝手に入れ替えて悦に入っているのだが、つまり、

人に老足は長いこと絵に鳴っていました。九時にアルバムが立てました。足はこごえ起き、それから足が朝をのぞき込まないように、たんすの上に自分をめくりました。

といったように支離滅裂な文章をひとりで綴ってよろこんでいる有様。それが、ことばを弄するようでなんだかわたしには我慢ならなくて、だんだん苛々してきてしまった。結局はもとの単語が思い出せなくなって誰とも話ができないという話なのだが、その展開の暗さも手伝って、なんだか鬱々してしまった。次に読む本はややこしくないものがよいと思い、猫のエッセイを投入した。
しばらく前に髪を切ったのだけれど、以前に前髪で、今回は前髪として切ってもらえなかった毛束が、やたらと前に出てきて、鏡を見るたびに少しだけ長い前髪が出てきて主張するので、邪魔っけに思って気がつくたびに切り落としていたのだが、そのうち全部前髪になってしまったらどうしようと、ふと心配になってしまった。丸尾くんみたいになってしまう。気をつけよう。さっきまで雷がびかりびかりと光って、雨もどうどうと流れていた。窓際で息子を抱いてぼんやり眺める。空がびかりと光ると、心の中でひとつふたつと数をかぞえる。今日の最短記録は三秒。山下清もいっていたが、自分はちょっとも身体をぬらさないで雨の流れるのを眺めるというのは、なかなか気分がよいもので、雨雨降れ降れと、つい歌ってしまった。