まみ めも

つむじまがりといわれます

ただならぬ午睡

ただならぬ午睡 (光文社文庫)

ただならぬ午睡 (光文社文庫)

『謎』吉行淳之介
『朱験』河野多惠子
『ホテル・ダンディライオン安西水丸
『十日間の死』江國香織
『夏の情婦』佐藤正午
シャトー・マルゴー村上龍
『私は生きる』平林たい子
『かわいい女』アントン・チェーホフ、(訳)小笠原豊樹
江國香織による恋愛小説アンソロジー江國香織+恋愛だなんて字面からしてコンフィチュールみたいで甘ったるくジョシ的で気恥ずかしく、こないだから下っ腹がたるんで股も尻も裂け乳首もすり切れているのですっかりお呼びでない気がしてひるんだが、冒頭の吉行淳之介からして足元があやうくなるような白昼夢ぶり、カフカを読んでいるときみたいに翻弄される気分がたまらなくてぐいぐい読んでしまった。恋愛とはいっても冷静と情熱のあいだというよりは正気と狂気のあいだといったほうがよさそうな話ばかりなのがよかった。それでも江國香織の話だけはどこかしら冷静と情熱のあいだしていて、わたしはやっぱり江國香織よりは江國滋なのだった。つまり、コンフィチュールよりもろみそ、女子よりオッサン。