まみ めも

つむじまがりといわれます

ガントレット

ここのところフクちゃんは毎晩お漏らしをやる。徹底的におむつのギャザーチェックをしてもふと気づくと必ずおしっこでわき腹がしっとりしていて、夜中の三時に階下の冷えた部屋で泣き喚くフクちゃんを着替えさせんといかん。セイちゃんは、おもえば、こういうことは一切なかった。セイちゃんとフクちゃん、兄弟でもおちんちんの感じというのは随分ちがっていて、おちんちんというのは本当に千差万別だなあと思う。おちんちんは、いまだどう扱えばよいものかよくわからないでいるが、かといって自分のものはどうかといわれるとその扱いも覚束ないので、性器というのはそういうものなんかもしれん。おそらく大事なのはそこに愛がなければならないという一点に尽きる気がするので、わたしはきょうも愛をこめておちんちんを丁寧に拭う。

ガントレット [DVD]

ガントレット [DVD]

テレビでクリント・イーストウッド特集をやっていたときに録りためた一本。ガントレットは私刑のひとつで、二列(gauntlet)に並んだ兵士の間を通り抜け両側の兵士が棍棒や鞭で殴るというもの。なんというか、けして理屈をこねてはいけない映画であった。おそらくガントレットのシーンを撮りたいというそれだけのために作られた映画なので、その他のこまかいことはちょっとどうでもよくなってしまっている。ガントレットのシーンはというと、非常に緊迫した残酷な場面にも関わらず音楽は朗々と高らかに鳴り響き、これがエンターテイメントであることを教えてくれる。ややこしいことを持ち出して云々言いたくなる気持ちは問答無用にメッタ撃ちにされ、穴だらけになったハートは笑うしかない。クリント・イーストウッド特集は、ペイルライダーにガントレットと二本みてきたが、このひとは銃をぶっぱなすとエクスタシーを得るタイプの人間ではないかという感じがする。その点ではガントレットはこめられた銃弾もリビドーも残らずだし尽くした作品ではないかしら。