まみ めも

つむじまがりといわれます

本が好き、悪口言うのはもっと好き

夏のうちはシャワーで済ましていたが、涼しくなってきたので、日曜から浴槽に湯を張ることにした。角膜炎の宿六を外で待たしておいて、こどもらを順番にいれていく。こどもらは久しぶりの湯槽がうれしくてしかたなく、ふたりともなかなか上がろうとしないで、顔を真っ赤にほてらしている。湯槽のなかで、セイちゃんと、いろんな話をする。だれとケッコンするの、ときいたら、ふくちゃんと、と言った。Rちゃんはいいの、と好きな女の子のことをきいたら、ふくちゃんが一番すきなんだよ、という。三十年後にふたりともおじさんになったらこの話を是非とも聞かせてやらんといかん。それから、みんなのどんなところが好きかという話になり、Rちゃんは、あしが好き、おとうちゃんは、おへそ、おかあちゃんは、おかお、ふくちゃんは、あしもおててもぜんぶ、という。その話を湯上がりに宿六に聞かせてやろうと、も一度たずねたら、おかあちゃんの好きなところは、くで、という。くで?うん、くで。くでってどこ?ときくと、足の親指の先をつんつんとして、ここだよ、くで、と教えてくれた。蛇足だが、辞書によると、
くで
《「くて」とも》湿気が多くて水草などが生えている所。低湿地。
だそうで、さすがに水草はないにしても、雑菌ははびこっているに違いなく、遠からず近からずという気がしないでもない。

本が好き、悪口言うのはもっと好き (文春文庫)

本が好き、悪口言うのはもっと好き (文春文庫)

阿川弘之の本で引用されているタイトルをみたら読むしかないとビビッときて図書館で予約。期待を裏切らない。博覧強記に偏屈っぷりがたまらない。ネアカの李白とネクラの杜甫、狩野亨吉についての文章など、おもしろい話が満載。