まみ めも

つむじまがりといわれます

ダスティン・ホフマンは「タンタン」を読んでいた

しばらく前に、宿六がディズニーのDVDが何枚かセットになったのを買ってきた。休みの日、雨だったりこどもたちの体調が芳しくなかったり暑くて外に出られないとき、ひとつずつ見せている。これまでに見たのは、シンデレラ、ピノキオ、ガリバー旅行記、ピーターパン、白雪姫、不思議の国のアリス、ダンボ。こどもたちが見ている間、だいたいわたしは台所でおかずを作っている。どきどきするのがたまらないセイちゃんは、どきどきしそうな場面になると、じっとしていられないで、台所までピョンピョンはしってきて、「これは、みてられない!!」なんていっている。フクちゃんに「セイゾーくん、ふくちゃんおとなりいるから、だいじょうぶだよー」と言われていたりするのがおかしい。こないだは走ってきてすべってこけて泣きベソをかいていた。
シンデレラをみていたときに、こどもたちからどーしてどーしてときかれて困ったのが、女たちがなぜ王子さまを好きなのか、王子さまはなぜシンデレラを好きなのか、ということだったが、要は女は地位と名誉にくらりときて、男はカワイイ女にぐらりとくるということになるらしく、まま母がシンデレラにつらくあたることといい、いちいち生々しい。
ダンボの物語は、内容を知らなかったが、酔っぱらったダンボのサイケデリック内的ワールドの描写が五分ほど続くので、こどもたちが戸惑っていた。ピンクの象がのびたり縮んだり溶け合ったりしながら踊るのはなかなかの見応え。

図書館のカウンターにいく傍のところに映画本のコーナーがあって、和田誠の本だったり、淀川長治の本だったり、あって、和田誠の「お楽しみはこれからだ」を借りてみたいと思うのに、いつもPart 1が貸出になっていてなかなか借りられない。かわりに川本三郎を借りてみた。タイトルのダスティン・ホフマンの話は冒頭に収録されていて、「クレイマー、クレイマー」でこどもに読み聞かせている絵本を台詞だけからぴんときてうれしかった話。そういう話が満載。デニス・ホッパーがハリウッドを追放になった顛末なんかはものすごかった。古い映画が多かったけれど、しっている映画の話がでてくるとうれしくなる。狂気を演じる俳優について、ジャック・ニコルソンはどんなに狂気の男を演じても映画が終われば陽気なアメリカンに戻る安心感があるし、ロバート・デ・ニーロの狂気にはイタリア系の祝祭的なにぎやかさがあるけれど、クリストファー・ウォーケンの狂気は冷たい醒めた狂気で超越的な知性と紙一重で一番根が深い、といっていて、妙に納得した。