狼たちの午後

火曜は台風でいったん休み。すこしだけ朝ねぼうをして、いつもよりのんびりとこどもらを保育園に送り出す。駅前のドーナツショップは、運休している路線の再開を待つ人で混んでいた。カフェオレとドーナツをひとつ。なんだかむかむかするように思いながら、ブックオフへいって、105円の棚を隈なくみる。だんだん疲れて頭痛に吐き気、いいかげんやめたいと思うのだけど、吾妻ひでおや横尾忠則の本をみつけると、まだまだ掘出し物があるかもしれないという気になってがんばってしまう。以下リスト。
シブイ 開高健
地球の果てまでつれてって 横尾忠則
引越貧乏 色川武大
池波正太郎の食卓 茂出木雅章 近藤文夫 佐藤隆介
ひでおと素子の愛の交換日記 吾妻ひでお 新井素子
料理ぎらいの料理の本 今田美奈子
向田邦子の青春 向田邦子
家に帰って洗濯物を干し、こどもらの長袖を出してやり、残りもののナポリタンをすすり、PLを一包、ベッドにごろりとしながら文庫本をぺらぺら、うとうとし、洗濯物をとりこんだらお迎えの時間があっという間にきて、それからこどもらを近所の小児科に連れてって、帰りにはもう月が夜空にまぶしかった。

狼たちの午後 [DVD]

アル・パチーノとジョン・カザール。ゴッドファーザーが1972年、ゴッドファーザーPART IIが1974年、狼たちの午後は1975年。ゴッドファーザーの一作目では無敵のうつくしさだったアル・パチーノが少しずつ崩れていくさまがいい。その点ジョン・カザールのほうはたいして変化しない。うつくしさの代償。うつくしさが斜めになって、そこから新しい光をどう照らすかということだと思う。滑稽な銀行強盗の顛末。実話をもとにしており、銀行強盗の目的はゲイの恋人の性転換費用だったのだが、映画の興行収入から当の銀行強盗にその資金をプレゼントしたらしい。アル・パチーノの演技は、じっと考えこむふうなところにやたらと迫力がある。