まみ めも

つむじまがりといわれます

酒の上の話

土曜日、布団と洗濯物をベランダにほして、週末の買い出しに歩きだしたところで、宿六がピクニックをやろうといって、車通りをひょいひょい渡ってシートを取ってきた。買い出しのついでにお茶とジュースとチキンカツ弁当にハンバーグ弁当、いくらとシーチキンのおにぎり、いなりずし、サンドイッチを買いこんで近所の公園まで歩く。ソメイヨシノはすっかり終わってしまったが、しだれ桜がちょうど見ごろ。日影に陣取るとすこし風がつめたい。みんなでシートのうえにひろげたお弁当をわける。なんにも用意がなかったので、宿六がプラスチックの蓋にハンバーグやサラダを取り分けていちいちおいてくれる。巣でぴいぴいないて餌を待っているひなの気分。食後はひなたで冷えた体をあっためた。風がふくと桜のはなびらがひらひらと舞うのを、つかまえたくて、ぼんやりうろうろするセイちゃん。中銀カプセルタワービルの一室がおかれてあるのを、こっちの窓とあっちのドアから覗きあったり、蟻の巣をつぶしたり、モニュメントによじのぼったり。ひとしきり遊んでから家に帰ってふかふかになった布団を取り込んで窓も開け放って昼寝をしたが、こどもたちは汗をかいて一時間もねなかった。それから商店街で買ったおはぎをみんなで食べておやつにした。

酒の上の話

酒の上の話

いつかのブックオフで105円。吉行淳之介アントニオ猪木との交流譚もあって、吉行淳之介は、意外や意外、声が大きかったらしい。現代日本のユーモア文学の付録で開高健丸谷才一吉行淳之介とで対談をやっていて、開高健丸谷才一が文壇での三大音声だったものだから、吉行淳之介は口を挟めなかったのではないかと心配してみたけれども、杞憂だった。赤瀬川原平芥川賞受賞のしらせを酒を飲みながら待つ話があって、そのときのメンバーが、篠原勝之糸井重里南伸坊安西水丸、そして村松友視。適度にいい加減な空気が流れて、きっと居心地いいだろうな。たしかにこのメンバーなら落選したって落ち込むことなしにたのしくお酒を飲める気がする。勝手に自分が受賞を待つつもりになって飲みに誘うメンバーを考えてみたら、友達がすくないのであっという間に絞られた。